安浪:小4なら、歴史でも、理科でも、興味がある科目を一つ深掘りしてみるのもいいのではないでしょうか。一つでも深く知っている科目があると、中学に入ってから他の教科も自然と興味をもつようになります。

矢萩:中学受験の勉強はどうしても「できないものをできるようにする」勉強になってしまいます。せっかく受験しないんだったら、できることを伸ばして、強化していくほうが絶対にいいですね。

安浪:好きなものをとことんやらせる、というと「うちの子はずっとマイクラばかりやっていますが、それでいいのですか」という相談はたくさんいただくんですけど(笑)。ゲームも受動的にやっているか、能動的にやっているかでだいぶ違うし、ゲームの種類によっても能力を伸ばすゲーム、ただ単に時間を搾取されているゲーム、いろいろあると思うので一概に言えない所はありますね。

矢萩:そうですね。ゲームの良し悪しについては親御さん自身が判断するのは難しいと思います。マイクラをやるにしても、ゲーム内で何を目的に何をしているかによって、学びにつながっていたり、逆効果だったりします。こればっかりはプレイヤーになってみないとわからないですからね。

安浪:ただやはり、ゲームだけじゃない、別にのめり込むものが持てるといいですね。それにはやはり親の働きかけが必要です。

矢萩:とくに興味・関心事が無い場合は中学受験の勉強してみるのも一つありかと思います。僕の塾に来る子たちは、受験クラスにいても、実際に受験する子、しない子は半々です。ではなぜ中学受験の勉強をやっているかというと、学校や一人でやっていては見つからなかった「目次」に触れることで、それは興味深いとか、そう考えると面白い、と思うきっかけづくりが大事だと思っているからです。大手の進学塾では難しいと思いますが、少人数のクラスで、みんなで意見を交換しながら何かをやる、という場所に所属してみるのもいいかと思います。

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