※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 健康増進効果が高く、心と体がととのうと評判のサウナがブームだ。人気に比例して、サウナで「ととのう」ための多くの情報もSNSなどで飛び交っている。なかには誤った情報もあるため、注意も必要だ。サウナの医学的な効能などを研究している現役医師に、安全で正しいサウナの入り方を聞いた。

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 冷え性の改善、睡眠の質の向上、集中力アップ……と、サウナでうたわれている効能は、現代人の抱える悩みや症状を解消してくれるものばかり。サウナに関する医学的研究を進めている日本サウナ学会代表理事の加藤容崇医師は、サウナの入り方についてこう話す。

「サウナ、水風呂、休憩(外気浴)を1セットとするサウナ浴で、体は自動的に副交感神経、交感神経と交互に切り替わります。その結果、自律神経の調整機能が改善し、心身ともに『ととのう』ことができる。とくに欠かせないのが『水風呂』です」

「冷え性だから」と、冷たい水風呂を敬遠する女性も多い。加藤医師は「冷え性の女性はむしろ、水風呂に入ったほうが自律神経は整って冷え性も解消する」と断言する。

「冷え性というのは、体の調節機能が弱くなっているために体の末端が冷たく感じられるというもの。実は自律神経系の問題です。神経の機能を高めるにはサウナ後の水風呂がすごく重要。サウナ後の水風呂には、体の熱を逃さない魔法瓶のような効果もあり、入ったほうがむしろ体は温まります」

「水風呂が苦手」という人は、サウナでしっかり温まりきっていないことも原因だと加藤医師は指摘する。サウナは上のほうの空気が一番暑い。そのため、顔が一番熱くなりやすいが、顔は感覚が敏感なため、ほてったように感じやすい。顔がほてると、体が温まりきらないうちにサウナから出たくなってしまうという。

「入浴のポイントとしては、横座りなど、なるべく顔と足の高低差をなくすような姿勢で入ること。顔をタオルで覆うなどして、熱くなりすぎないようにすることで長く入ることができます」

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