スーパークレイジー君
スーパークレイジー君

 埼玉県・戸田市議のスーパークレイジー君(35/本名・西本誠)が、市選挙管理委員会、埼玉県選管の「当選無効」取り消しを求める裁判で、判決が3月4日、最高裁で言い渡される。請求を棄却した東京高裁の判決が維持される見込みで、スーパークレイジー君は議員を失職する可能性が高い。ところが、本人の表情はすこぶる明るい。今春から日本大学通信教育部の法学部・政治経済学科に進学し、大学生になるという。スーパークレイジー君をインタビューした。

【写真】特攻服姿で歌を披露するスーパークレイジー君

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<35歳だけど、まだまだ人生これから。政治学をメインに勉強して行きます>

 2月21日、入学手続きを終えたクレイジー君は日大から、こうツイートした。

 その1カ月ほど前、クレイジー君は大学進学に向けて、追い込み勉強の真っ最中だった。

「ぼくは戸田市で『子ども食堂』をやっているんですが、子どもたちといっしょに勉強しています。結構、難しいんですけれど、高校生たちが教えてくれる。やっぱり、勉強仲間がいると、楽しいですよ」

 そう、笑顔で話しながら、英語や数学など、課題のプリントを見せてくれた。

「まわりからは『この歳で大学生? 大丈夫?』って、結構言われます。でも、大学に行って勉強するって、みんなの前で言っちゃったので、最後までやり通す。1度、導火線に火が着いたら、最後までやるのがモットーだから(笑)。でも、課題に取り組んでいると、『いまさら数学かあ』って、思うときもありますね」

■議員になって中身がないことを痛感

 しかし、なぜ、政治家になってから大学に入学し、政治学を学ぼうと思ったのか?

「これまでは、少年院出身の過去とか、スーパークレイジー君という名前が注目されただけで、ぼくのことを『政治家』として見る人はいなかった。でも、『中身』がないと、この仕事は続けられないと思ったんです」

 クレイジー君が政治の世界に飛び込んだのは2年前。東京都知事選に立候補して落選。その後、昨年1月、戸田市議選に出馬し、当選した。しかし、議員活動を始めると、「知識がないまま政治家になった」ことを痛感した。

「それまで一般会計の歳入・歳出、補正予算とか、市の予算のしくみのことなんて、考えたことがなかった。どんな財源があり、どう支出されるのか、それを有権者のみなさんにきちんと説明できるようになるには勉強が必要と感じた」

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