最も死亡者数の割合が多かったのは、広島県で7・5人だった。2番目は石川県6・2人、3番目は群馬県5・2人と続く。意外にも地方の自治体が多く上位に入る結果になっている。

 広島県では連日感染者が1千人を超える状況が続いており、最も多いときには1600人近くにもなっている。県担当者は「1500人を超えるような感染は想定していなかった」という。「病床の確保には取り組んでいたが、感染が高齢者や基礎疾患のある方にまで広がっており、それが死亡者の多さにつながっている」と見る。

 石川県は重症者はゼロだが、死亡率は6・2人と高い。県担当者は「高齢者福祉施設などで感染が出て、重症にならずに亡くなられているケースがある」という。

 目立つのは、死亡者の割合に加えて、重症者の割合も高い大阪府だ。死者数の割合は4・1人で全国で4番目、重症者数の割合も433・3人と、他の自治体と比べても一桁多い状況になっていることがわかる。

 他方で、同じ大都市である東京都のほうは、重症者の割合は467・1人と高いが、死亡者の割合は1・3人と大阪府の半分以下の数字になっている。

 政府資料には、この差の背景について、こうまとめている。
<東京都 全ての患者が医療機関で受診し、診断後に医療提供や行政サポートする体制を既に整備、「 1 日 2 万人超」でも対応可能な独自の体制構築>

<大阪府 自己検査の結果に基づき、医療機関の受診・検査なく自宅療養をさせる「みなし陽性」制度を導入>

<東京都 宿泊療養施設(11,000床)、 医療ステーション病院型(~中等症II) 120 床、施設型(~中等症I)600床稼働>

<大阪府 昨秋、 大規模医療・療養センター(所謂「野戦病院」)を設置(1,000 床)するも、 現時点で未稼働・休止中 「一時避難の場」に転用を決定し、1月 31日に 800床を開設予定>

 宿泊療養施設などを準備してきた東京都と、今年の1月31日になり大規模医療・療養センターを稼働させた大阪府の違いが、対照的に見える。

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沖縄県で死亡者の割合が低い理由は?