日本ハムの本拠地としては今年が最終年となる札幌ドーム
日本ハムの本拠地としては今年が最終年となる札幌ドーム

 札幌ドーム(以下ドーム)が大きな岐路に立たされている。

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 本拠地を使用していた日本ハムは来季の2023年からは北広島市にできる新球場(エスコンフィールドHOKKAIDO)へ移転する。新庄剛志監督就任などもあり球団は再注目されているが、このままではドーム自体は取り残されてしまう。北海道のランドマークとして存在感を持ち続けられるのか、正念場を迎えている。

 北海道に野球熱が戻りつつある。近年は日本ハムの成績が下降線をたどりグラウンド外でも中田翔(昨年途中に日本ハムから巨人に移籍)の暴力事件など不祥事が重なった。04年の移転後は右肩上がりだった人気にも陰りが見え始めていた。

 そこへ新庄監督、稲葉篤紀GMというレジェンドが帰ってきた。建設が進む23年開場予定の新球場とともに人気復活の機運が高まっている。一方でこれまで北海道移転後のチームの象徴にもなっていたドームが本拠地として今季が最終年となる。

「報道などで明らかになったがドーム使用に関する市から球団への条件が一方的だった。球団はマーケットを考えても大都市・札幌を本拠地にしたかったのでドーム継続使用が最優先だった。条件変更の交渉を繰り返したが市からの歩み寄りがなかった。球団内で新球場建設の検討を始めた段階でも継続使用の可能性は残っていた。それでも市との交渉は平行線をたどり最後は球団が愛想を尽かした形です」(スポーツコンサルティング会社関係者)

 ドームの運営は札幌市の第三セクターである『株式会社札幌ドーム』が行なっている。リース料に加え広告、グッズ販売、飲食など興行時のドーム内の収入が入る契約で、その額は年間20億円超と言われる。球団は値下げならびに一部収入の分配額変更などを要求したが、逆に市は値上げを実施した。またロッテがZOZOマリンスタジアムで行って成功している指定管理者制度の採用も提案したが拒否された。移転が現実味を帯びると市は慌てて妥協案を提示したが遅かった。

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札幌ドームの“生きる道”は?