テレビ制作会社に勤務する40代の男性社員は「今回の問題で気になったのは過剰演出より、番組スタッフが告発した別の問題でした」と警鐘を鳴らす。

「番組スタッフがロケの5日間はほぼ不眠不休だったことが綴られていますが、人手不足など労働環境がずさんな制作会社が存在するのは事実です。以前に比べて労働基準法を順守してきっちり休ませる会社が増えましたが、オミクロン株で感染拡大する前はコロナが収束したことでロケの仕事が一気に増えて、スタッフが準備に大きな負担を強いられているという話を聞きました。番組制作でこの過酷な労働環境が常態化すると、働いているスタッフが過労死する危険性があります。下請けの制作サイドは仕事を断れないかもしれませんが、テレビ局側もブレーキをかけてほしいです」

 視聴者を欺くような演出だけでなく、制作サイドが理不尽な負担を強いられているという今回の「SOS」にも向き合わなければいけない。(竹下嘉男)