MLBの日本人選手たち。来季はどの様なプレーをみせてくれるのだろうか(GettyImages)
MLBの日本人選手たち。来季はどの様なプレーをみせてくれるのだろうか(GettyImages)

 2021年の日本人MLB選手を振り返ると、ア・リーグのMVPをはじめ11冠もの栄誉を手にした大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が歴史的な活躍で日本中をにぎわせ、筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)が、解雇とマイナー降格からの目覚ましい復活で、多くの日本人の心をつかんだ。そんなMLBでプレーする日本選手たちの2021年シーズンを現地報道の評価とともに振り返っていきたい。

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 エンゼルスの大谷については、もはや説明するまでもないだろう。投打の二刀流として初めてシーズンを完走し、打者としては46本塁打、投手としては9勝を記録し、野球史に残るシーズンを過ごした。

 しかし、シーズン開幕前は、大谷がこれほど活躍するとは誰も予想していなかっただろう。前年がキャリアワーストといえるほど不調だったからだ。2020年末、地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のマイク・ディジョバンナ記者は、「(二刀流を続けるならば)、投手と打者の成績はどちらも平凡になる」と、二刀流の継続に懐疑的な意見を述べていた。しかし大谷は、その活躍で現地メディアが抱えていた懸念を全て吹き飛ばしたのだ。

 大谷には、来季にも大きな期待が寄せられている。データベースサイト『ファングラフス』は、来季の大谷は、打者で、39本塁打、99打点、24盗塁を、投手で、11勝8敗、防御率3.69、192奪三振をマークすると予測している。もしそうなれば、来季こそはベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」という大偉業を達成できるかもしれない。世界を席巻したショータイムはまだまだ続きそうだ。

 パイレーツの筒香は、シーズンの評価が前後で逆転した選手だ。前半戦では、最初に所属していたタンパベイ・レイズや、ロサンゼルス・ドジャースでは打撃成績が振るわず、各メディアからは、「全くの期待はずれ」と酷評された。そして、その苦悩の日々はさらに続いた。筒香はドジャース在籍中、右ふくらはぎの張りのリハビリのため、マイナーでの調整を命じられた。MLB移籍後初めてのマイナー降格だ。しかし、これが転機となった。約2カ月間、打撃を徹底的に磨いた筒香は、ドジャースからの自由契約を経て8月にパイレーツへ移籍した。すると、43試合で8本塁打、25打点、OPS.833の成績を残し、地元メディアからは「最高の選手だ」という評価を受けた。シーズン終了後にFAとなった筒香は、その打撃力を高く評価したパイレーツと1年契約を結んだ。劇的な復活劇をみせた筒香は、来季その活躍に期待したい選手の1人となった。

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