東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパン
東京五輪で金メダルを獲得した侍ジャパン

――金メダルをかけてもらった時の気持ちは?

「最高ってああいうときのことを言うんですね。プレミア12でも金メダルをもらいましたが、ズシリとしたあの重さは比べものになりませんね。試合後、監督やコーチには金メダルがないことを知りました。すぐに、稲葉監督のところにいって、金メダルを渡し、かけてもらいました。金メダルはシーズンが終わったあとも、知り合いなどあちこちに持っていきかけてもらっています。うちの両親も僕の知らない間に、金メダルかけて写真を撮っていましたね。金メダルは噛まれないように、気を付けています。今のところ、大丈夫です(笑)」

――今シーズンを振り返ってもらうとチームは4位とBクラス。菊池さん自身はゴールデングラブ賞を獲得も、打率277という成績の感想は?

「前半戦は本当に調子よかったです。チームもいい感じで、今年はこのまま走れるんじゃないかと思いました」

――暗転したのが、5月17日の新型コロナウイルス陽性の診断でした。

「前日の16日は試合に出てそのまま自宅に戻りました。唯一、自覚症状として腰が痛いなと思ったくらいでした。翌朝起きると、めちゃくちゃ暑くて、汗びっしょり。まさかと思って体温を測ると39度を超えている。すぐに球団に電話して、近くの大きな病院で検査を受けました。その結果、医師から陽性と告げられ、信じられなかった。コロナ対策は球団で徹底され、外食もダメだし、外部との接触は遠征の移動の時ぐらいでしたからね。コロナ発症後、熱が下がらず、最高39・8度まであがりました。ずっと寒くて、体のあちこちが痛むというのが5日間ほど続き、これまで風邪をひいた時とは比べものならないほど、きつかった。コロナの怖さを思い知らされました。これ、ヤバいと思った瞬間もあった。それでも幸い、肺炎がなかった。他の選手、コーチもコロナ感染がわかり、試合は延期になり、本当に申し訳ない気持ちです」

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コロナを乗り越えた後にまた試練…