ヤクルトの奥川恭伸(右)とオリックスの宮城大弥
ヤクルトの奥川恭伸(右)とオリックスの宮城大弥

 オリックスヤクルトが激突した日本シリーズ。前年最下位からリーグ制覇したチーム同士が対戦するのは史上初だが、その強さはフロックではない。オリックスはロッテに、ヤクルトは巨人にCSファイナルステージで1試合も落とさずに日本シリーズに進出した。

【写真】“驚くほど美しい妻”と米メディアで話題になった日本人選手の奥様はこちら(他8枚)

 両チームで目立つのは若手が躍動する姿だ。オリックスを見渡すと今季三塁の定位置を獲得し、初の規定打席に到達した宗佑磨が高卒7年目の25歳。スケールの大きい守備と打撃が持ち味の遊撃・紅林弘太郎は高卒2年目の19歳だ。ヤクルトのリードオフマンに定着した塩見泰隆は社会人出身4年目の28歳、侍ジャパンで東京五輪の金メダル獲得に貢献した4番の村上宗隆は高卒4年目の21歳で球界を代表するスラッガーに上り詰めた。

 投手陣もオリックスは絶対的エース・山本由伸が23歳、今季13勝と大ブレークした宮城大弥は高卒2年目の20歳、ヤクルトの奥川恭伸も同世代の20歳。日本シリーズ2戦目でプロ初完投初完封勝利を飾った左腕・高橋奎二も24歳と若い。

「素材が良いのはもちろんですが、オリックス・中嶋聡監督、ヤクルト・高津臣吾監督の育成手腕も高く評価されるべきでしょう。紅林は打てない時期が長く続き、リーグワーストの17失策と守備も確実性に課題がありますが、中嶋監督はスタメンから外さずに我慢強く起用し続けた。高津監督は奥川、高橋を目先の白星を追いかけて酷使せずに、中10日の登板間隔を勝負のシーズン終盤も貫いた。若手がチームの軸になるチームは長期的な強さを維持できる。両チームはこれから黄金時代を築く可能性は十分にあります」(スポーツ紙デスク)

 両球団と対照的に、「若手が育っていない」と指摘されるのがリーグ3連覇を逃した巨人だ。投手陣は24歳左腕の高橋優貴が自己最多の11勝、高卒3年目の21歳右腕・戸郷翔征が9勝とエース・菅野智之の後継者として育っているが、野手を見渡すと規定打席に到達したのは32歳の坂本勇人、32歳の丸佳浩、25歳の岡本和真、26歳の松原聖弥の4人。岡本は打率.265、39本塁打、113打点で2年連続本塁打、打点の2冠王に。

次のページ