日本ハムの新庄剛志新監督
日本ハムの新庄剛志新監督

 日本ハムの『BIG BOSS』新庄剛志新監督が多くのニュースを提供している。いまだ実戦の指揮どころかユニフォーム姿すら披露していないが、その手腕についての話題で持ち切りだ。前例のないようなスタイルが成功すれば、今後の日本球界の“名将像”を大きく変える可能性すら秘めている。

【写真】イチローが「本当の天才」と言った男とは?

 これまでに日本のプロ野球では多くの名監督が生まれてきた。その多くは現役時代に飛び抜けた成績を残し監督としても能力を発揮したパターンか、選手として成功はできなかったが地道に指導者としての経験を積んだ場合がほとんどだ。

「現役時代に球団の歴史に残るような結果を出した選手が監督に就任する場合が多い。また選手としての印象は弱くとも監督、指導者として実績を積み重ねていった人物も大きな興味をもたれる。新庄監督はそういった傾向に大きな一石を投じるかもしれません」(野球専門フリーライター)

 名将と呼ばれた監督は数知れない。川上哲治(巨人)、野村克也(ヤクルトほか)、森祇晶(西武ほか)、仰木彬(近鉄ほか)、星野仙一(中日ほか)などは選手としても結果を残していた。西本幸雄(元阪急ほか)、上田利治(元阪急ほか)などは選手としてより指揮官として手腕を発揮した。数々の名監督がいるが、新庄はそういった先人たちのどれにも当てはまらないタイプだろう。

「現役時代に数々のインパクトを残したが、成績の面で飛び抜けたものはない。監督就任にあたりコーチなどの指導者経験もない。従来の監督経験者とは異なるルートで現場のトップになった。誰よりも目立てる素質とカリスマ性を活用して結果を残せるかに注目が集まります」(野球専門フリーライター)

「日本ハムは従来の慣習にとらわれずチャレンジを重ねる球団。前監督の栗山英樹氏も現場でのコーチ経験なしに監督に就任したが結果を出した(リーグ優勝2回、日本一1回)。しかしスポーツジャーナリストとして多くの現場取材を重ねてきた。また教員免許を持ち大学の教壇にも立っていた。新庄監督とは大きく異なります」(元日本ハム担当記者)

次のページ
他球団の“新監督”とも違う?