石垣泰則医師 コーラルクリニック院長。日本在宅医療連合学会代表理事。順天堂大学脳神経内科・リハビリテーション科非常勤講師
石垣泰則医師 コーラルクリニック院長。日本在宅医療連合学会代表理事。順天堂大学脳神経内科・リハビリテーション科非常勤講師
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 国民の6割の人が「病院ではなく自宅で最期を迎えたい」と希望しているというデータがありますが、現状、7割の人は医療機関で亡くなっています。自宅で最期を迎えるためには、医師が訪問診療をしてくれる「在宅医療」が必要になります。しかし、いったい何から準備をすればいいかわからない人も多いでしょう。好評発売中の週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2022年版』では、日本在宅医療連合学会代表理事の石垣泰則医師に、「在宅医療を始めるには」と「家族がおこなうケア」を解説してもらいました。

【図解】家族が自宅でできるケアは?

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 在宅医療を始めるタイミングは、入院施設から在宅に移行する場合と、外来への通院が困難になったので在宅に移行する場合とがあります。

 入院中であれば、在宅医療に移行したいという希望をまず担当医に相談し、了解を得ます。医師に相談しにくければ、病棟の看護師に相談するのでもいいでしょう。入院している病院に「退院支援室」や「地域連携室」などがあれば、自宅近くの在宅医や訪問看護ステーション、ケアマネジャーを紹介してもらったり、今後の流れなどを相談したりすることができます。病院に相談する場がなければ、自宅近くの地域包括支援センターで相談しましょう。ケアマネジャーが先に決まっていれば、在宅医や訪問看護師などを紹介してもらえるケースもあります。

 在宅での生活で役立つのが介護保険サービスです。サービスを利用できるのは65歳以上ですが(第1号被保険者)、末期がんや脳卒中など病気によってはそれより若くても利用できます(第2号被保険者)。認定されると要介護度に応じて、介護に関わるホームヘルパー、訪問リハビリ、車いすや介護用ベッドなど福祉用具の貸与、介護しやすいように住宅を改修するための費用の支給といったサービスを受けられます。

 介護保険サービスを受けるには、まず市区町村の「介護保険担当」窓口や地域包括支援センターで申請し、要介護の認定を受ける必要があります。申請してもすぐに認定されるわけではないので、できるだけ早く申請しておきましょう。

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