ひろゆきさん(撮影:鈴木芳果)
ひろゆきさん(撮影:鈴木芳果)

ひろゆき:なるほど。

■バラエティータレントって、繊細な人が多いと思う(ryuchell

ryuchell:高校生でアルバイトをし始めたとき、アンケートに「あの子、女の子っぽくて何なの?」「気持ち悪い」とか書かれたことがあって。それですごい傷ついて……人を見て自分を「出すか」「出さないか」「どこまで出すか」みたいなことをすごく考えたりして。そういう「人の目を気にしすぎる」というところは昔からありました。もちろん、たまに疲れちゃうときもあるし、気を使いすぎて嫌になることもある。でも、結果として仕事になることもたくさんあったし、そのおかげで助けられた。だから僕が思うに、バラエティータレントって、実は「陽キャ」に見えて「陰キャ」じゃないけれど、人の目を見たり相手の気持ちを先に考えてしまったりするような、繊細な人が多いと思う。

ひろゆき:それって、沖縄出身だからっていうことがありますか? 東京の人と、一緒なんですか?

ryuchell:全然、違う! 極端な話、東京は生きる術を身につけたら生きていけると思うんです。そして、人との距離感が大切で、壁を作ったほうがうまくいったりとか。沖縄は、人と壁を作ったら嫌われるし、生き方が上手な人……八方美人があまり好かれない傾向がありますよね。文化の違いもあると思うんですけど。

ひろゆき:沖縄に住んでいたときは壁を作らないで生きてきたのに、東京に来たら壁を作ったほうがうまくいくっていうことは……壁の作り方を自然と覚えるんですか?

ryuchell:テレビに出たら自然と壁ができますよ。正直、18歳でバラエティーに出て、MCさんとか中堅の芸人さんとかが前室の奥で集っていたりする。そこで壁を作らず、「そうっすよね~」って行く勇気もなくて。

ひろゆき:えっ、なんか、行っていそうな感じなのに!

ryuchell:できない。できるのは、ふわちゃんだけです(笑)。当時は、裏で「すみません、よろしくお願いいたします」「ありがとうございました。お疲れさまです」という感じだったんですよ。だから、壁を作ったほうがうまくいくじゃないけど、そう思っていましたね。あのころは特に、壁を作らないと吸われてしまいそうな感じ……わかります? このニュアンス。

■「僕は所詮、商品」と勝手に寂しくなった(ryuchell)

ひろゆき:吸われてしまう……。

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僕は所詮、商品なんだなと