そしてフェニックスリーグでは10月22日のヤクルト戦に2番手として登板すると2回を被安打1、無失点、4奪三振と好投。続く30日の広島戦でも先発として3回を投げて被安打1、無失点、3奪三振と見事なピッチングを見せている。リハビリ期間でのトレーニングの成果もあってか体つきは高校時代と比べても明らかに一回り大きくなり、力強い腕の振りも肘の手術の影響を全く感じさせないものだった。特に高めのストレートの勢いは一軍の主力と比べても遜色ないだけのものがある。まだ変化球のコントロールが少しばらつくのは課題だが、順調にいけば来シーズンは支配下復帰、そして一軍デビューも十分期待できそうな投球内容だった。

 一方の野手で圧倒的な存在感を見せたのがロッテの育成ルーキー山本大斗だ。昨年の育成ドラフト3位入団ながら二軍ではチーム2位タイとなる5本塁打をマーク。フェニックスリーグでも主にクリーンアップや1番を任されると、12球団でもトップとなる5本のホームランを放って見せたのだ。180cm、90kgという高校卒1年目とは思えない堂々とした体格で、それほど強振しているように見えなくても飛距離が出るというのが大きな長所。タイミングをとる動きにも無駄がなく、スムーズに振り出すことができている。一軍では今年3年目の山口航輝が9本塁打、4年目の安田尚憲が8本塁打を記録しているが、長打力は外国人選手への依存度が高いだけに山本のような強打者タイプは非常に貴重である。春季キャンプでもその長打力をアピールして、早期の支配下登録を目指したい。

 セ・リーグの野手ではファーム日本選手権でも優勝を果たした阪神勢の勢いが目立ったが、中でも大きな成長ぶりを見せたのが3年目の小幡竜平だ。チームでもダントツとなる23安打、9盗塁をマークする活躍でフェニックスリーグでのチーム優勝にも大きく貢献。これまでは非力な打撃が課題だったが、1本塁打を含む長打4本を記録しており、打撃の力強さは確実にアップしてきているように見えた。

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小幡は来季レギュラー奪取も?