牧田和久投手(c)朝日新聞社
牧田和久投手(c)朝日新聞社

 この時期は球団、選手がデリケートになる。各球団で今年も多くの選手が「戦力外通告」を受けた。その中で「なぜ?」と驚きの声が上がった選手がいる。楽天のサブマリン・牧田和久投手だ。

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「石井一久監督がGMで獲得した選手ですからね。大きな衰えが見られたわけでもない。でも今年のシーズン中に『牧田をトレードで放出するのでは』と噂が流れていました。2軍で好投していても、1軍に上がる気配がなかった時があった。アンダースローからテンポよく投げ込む投球スタイルは健在で救援で十分に計算できる。中継ぎに苦労している球団は多い。FAの選手より争奪戦になる可能性があります」(スポーツ紙デスク)

 牧田の強みは先発、中継ぎ、抑えとあらゆる場面で力を発揮できることだ。西武時代は「困った時の牧田」と呼ばれるほど重宝された。2017年オフにポスティング・システムでパドレスに移籍。メジャー通算27試合登板で0勝1敗、防御率5.40と思うような結果は残せなかったが、19年オフに古巣の西武、阪神、楽天が獲得に名乗りを上げた。

 昨年は52試合登板で2勝2敗2セーブ22ホールド、防御率2.16をマーク。「勝利の方程式」で稼働したが、今年は3度登録抹消されるなど17試合登板と激減。0勝0敗2ホールド、防御率3.31だった。一方でイースタンでは29試合登板で2勝1敗3セーブ、防御率0.33。格の違いをみせていたが、なかなか1軍からお呼びの声がかからなかった。

 楽天の救援陣が盤石だったのは事実だ。今季の成績を見ると、宋家豪が63試合登板で防御率2.23、安楽智大が58試合登板で防御率2.08、酒居知史が54試合登板で防御率2.28、森原康平が34試合登板で防御率2.78、守護神・松井裕樹が43試合登板で防御率0.63。軒並み安定していたが、牧田の入る隙間がなかったかというとそうではない。先発が試合序盤で崩れた際のロングリリーフ、勝負どころのワンポイントなど使いどころはあった。

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