■萩原さちこさん「フォトジェニックな山城」ベスト10

1位 備中松山城
別名、高梁城ともいう。日本三大山城のひとつに数えられる。天守や建物群が現存する城としては日本最高所に位置する。
2位 竹田城
数ある「天空の城」のなかでも、比較的雲海が発生しやすい城とされる。枡形虎口を配置するなど、実戦的な堅城でもある。
3位 清水山城
朝鮮出兵時に、秀吉の御座所として築城された。厳原港と日本海の眺めが素晴らしい。港から見上げた清水山城も絶景。
4位 苗木城
奇岩や巨岩で知られる中津川に築かれた山城。自然石と石垣が混じる独特の景観が楽しめる。天守跡は展望台となっている。
5位 山中城
障子堀が有名で最大の見どころだが、後北条氏の築城技術の粋を集めた山城で、その技術力の高さに驚く。城内から見る富士山も絶品。
6位 長岩城
険しい断崖絶壁が続く扇山に築かれた山城。長大な石塁のほか、石積みの砲台や塹壕などが設けられて堅牢な城であったことがわかる。
7位 玄蕃尾城
清須会議以後、柴田勝家が築城した。土造りの城だが、連続する枡形虎口を築くなど、当時最新の築城技術を見ることもできる。
8位 黒井城
明智光秀による丹波攻略戦の舞台となった山城。季節によっては猪口山山頂の本丸跡から雲海を見下ろすこともできる。
9位 有子山城
山頂部の曲輪群は石垣を多用し、残存状態も良い。後に山麓部分を中心に出石城が整備され、有子山城は廃城となった。
10位 御坂城
甲斐武田氏の築城。信長死後の天正壬午の乱では北条氏・徳川氏の係争地となった。1968年に古地図が発見され所在地が判明した。

◎萩原さちこ(はぎわら・さちこ)/小学2年生のとき城に魅了され、執筆業を中心にメディア・イベント出演、講演、講座などをこなす。主な著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』(学研プラス)など。

(インタビュー構成/安田清人)