「定年制は必要」と主張する三谷英弘衆院議員(C)朝日新聞社
「定年制は必要」と主張する三谷英弘衆院議員(C)朝日新聞社

 昨年6月にも衛藤征士郎衆院議員(80)らベテラン議員が「政府が人生100年時代を唱える中で、年齢によって差別を行うのはおかしい」として、二階幹事長(当時)らに定年制廃止を求める要望書を提出。衛藤氏は「(二階氏は)当然じゃないか」と同意を示していたと記者団に語った。

 こうした動きに、自民党青年局は、「(定年制撤廃は)世代交代に逆行している」として反発。当時の青年局長だった小林史明衆院議員(38)が下村博文選対委員長(当時)に定年制の維持を申し入れた。今年1月や8月にも、牧島かれん青年局長(44、現・デジタル相)が定年制厳守の申し入れをするなど、世代間の対立が続いている。

 では、来るべき総選挙を前に自民党の若手議員はどう感じているのか。当選2回の三谷英弘衆院議員(45)はこう語る。

「定年制は、有権者からの期待に応えていくために必要な制度。この制度には、若い方をもっと登用してほしいという有権者の気持ちが反映されている。(政治の世界は)やはりどうしても高齢者ばかりになりがちなので、老壮青のバランスをとるために、党が決めた定年制をしっかり守っていただきたい」

 二階氏、麻生氏ら重鎮が小選挙区で出馬を続けることはどう思っているのか。

「有権者から『国のためにこの人は必要だ』と思われるから当選するわけですから、それについては私がとやかく言えません。長年地盤を守ることも大変だと思いますし、80歳を超えても多くの方に応援してもらえるということは、それはそれで、すごいことだと思います」

 その上で、党の未来についてこう話す。

「ご高齢の先生方に党内でいろんな仕事をされてしまうのか、それとも若手がご高齢の方を押しのけて仕事していくのかは、自民党の中にいるわれわれ次第。ご高齢の先生方に打ち勝っていく若い力をつけるためにも、党内で声を上げ、存在感を示していく必要があります。その意味で、若手の福田(達夫)さんが党総務会長に登用されたのは良いことだと思います」

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「今のままだったら老害になる」