自民党の石原伸晃元幹事長(C)朝日新聞社
自民党の石原伸晃元幹事長(C)朝日新聞社

 野党共闘の混乱を横目に石原氏を支援する地元の都議はこう打ち明ける。

「山本氏の出馬は以前から噂されていたので、想定通り。ただ山本氏であれ、吉田氏であれ、自民党VS野党統一候補となった場合は、やっかいだと思っていた。吉田氏も長く地元で活動されているので、簡単に断念はしないでしょう。選挙ギリギリで野党が揉めてくれるのは正直、ありがたい」

 山本氏も今後、候補者調整で揉めることも想定内なのか、こうも主張した。

「野党共闘で必要なのは 一本化していくこと。与党と野党、一騎打ちの構図を広げた方がいい。ここにはルールがある。一本化して自民党をひきずり下せる可能性がある候補者なら調整はする。そうでない場合は自由競争だ」

 選挙公示まであと10日ほどだ。まだ全国で野党統一候補が決まっていない選挙区がいくつもある。山本氏のサプライズで野党は大きな火種を抱えることになる。(AERAdot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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