審判の一つのミスがペナントレースの行方、選手の野球人生を大きく左右する。これは決して大げさではない。大きな問題となったジャッジが起きたのは13日の中日ヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)だった。

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 ヤクルトが1点を追う九回1死一、二塁。一打同点の好機で川端慎吾が二ゴロを打つ。打者走者はセーフで、その後、中日は一塁走者・西浦直亨に対して挟殺プレーを行う。ボールを持った遊撃手の京田陽太が二塁ベースを踏んでフォースアウトをアピール。捕手の木下拓哉も二塁ベース上を指して訴えたが、二塁塁審の嶋田審判がコールしない。直後に本塁へ突入した三塁走者・古賀優大はタッチアウトとなった。

  プレーが途切れて2死一、二塁で再開かと思われたが、中日がリクエスト。審判側が映像を確認し、京田が二塁ベースを踏んでいたことで一塁走者がアウトと認められ、併殺が成立。試合終了がアナウンスされると、球場が騒然となった。

 ヤクルト側は納得できるはずがない。高津臣吾監督が激怒し、14分間の猛抗議。責任審判の丹波審判員が「ランダン中に京田選手がセカンドベースを踏んでいました。リクエストで確認し、最初にセカンドでふたつ目のアウトが成立。ホームでスリーアウト目が成立です」と場内アナウンスで説明したが、ヤクルトの選手たちは怒りの表情でベンチからしばらく立ち上がれなかった。

 報道によると、ヤクルト側が意見書を提出したのを受け、翌14日に・セリーグとNPBの審判部が神宮球場を訪れて謝罪。「二塁審判の嶋田塁審が一塁のセーフを見落とした」として、嶋田塁審に口頭で厳重注意としたことが発表された。

「ヤクルト側は腑に落ちないでしょう。まず、なぜこの事実を昨日の抗議の時に説明しなかったのか。そして、審判の過失なら、その時点で試合を止めるべきです。今回のプレーで二塁のフォースアウトが明確にわかっていれば、三塁走者が本塁に突入することもなかったでしょう。審判がミスを認めて2死一、三塁でプレーを再開するべきだった。ヤクルトはこの試合を落として3位に転落しましたが、勝つか引き分けるか、負けるかで全く状況が変わってくる。ヒューマンエラーで勝敗が決したら悔やんでも悔やみきれません」(スポーツ紙記者) 

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首脳陣が審判に不信感