その後の捜査で逮捕容疑のA高校以外でも水落被告が同様のわいせつ行為をしていたことがわかってきた。大阪のA高校にくる前は福岡県内で甲子園出場経験があるB高校で非常勤講師として勤務。A高校幹部はこう話す。

「本人の聞き取りや、報道からもきっと以前からこのような行為をしていたと思いました。被害にあった野球部員には申し訳ない気持ちでいっぱいです。カウンセリングなどの対応にあたっている。このようなことは絶対にあってはいけないこと。水落被告には『人間失格や』と叱責しました」

 水落被告は他の学校の野球部員にも犯行を繰り返していたとみられ、事件被害はさらに拡大しそうだという。

「前の勤務先の高校を含めると被害者は最終的に50人超になりそうだ。今後、福岡県の高校なども含めて、さらなる余罪を追及していく」(捜査関係者)

 甲子園を目指す野球部員たちを傷つける、あってはならない事件を今後、どう防ぐのか。
(AERAdot.今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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