子どもの居場所や活動もどんどん狭められて、これも保護者にとって悩ましいところ。すでに、休日も夏休みも子どもはかなりのガマンを強いられてきた。

「うちの学校の学童と広場がくっついているのですが、その広場が閉鎖になったことで遊び場が公園か誰かの家になって、この夏の間は心配でした」(新宿区、小3と小5の母親)

「緊急事態宣言になるとうちの地域の学校の校庭は休日の貸出しが中止され、少年サッカーや学童野球の練習ができなくなります。緊急事態宣言のたびに予定が変更になり、子どもたちが振り回されています。学童野球は夏の都知事杯が中止になりました。“東京五輪はやっているのに!?”って」(中野区、小5の母親)

 秋に予定されている学校行事やスポーツクラブの大会の実施も先行きが不透明になってきた。

「秋の大会も予定は今のところ未定。試合の日程が学校の授業や行事の予定で組まれるので、このままでは秋も開催されない可能性はありますね」(同)

「運動会はなくなりました。でも、落ち着いた頃に、“体育の授業を見学する”という体で、さらっと見る機会があるようです。去年もそうでしたが日程はまだ出ていません。また、学芸会みたいな体育館でやる行事もなくなりました。遠足もありません」(新宿区、小4の母親)

「東京五輪のためにあったような4回目の緊急事態宣言で6月の学校行事が9月末から10月に延期されています。当初の予定の6月の感染状況の方が今よりマシだったような。学校からのお知らせでは『学校行事は緊急事態宣言下では実施を見合わせる』となっているので、5、6年生の宿泊を伴う移動教室は中止かな……。学校で決められたお土産代1000円で何を買ってくるか楽しみにしていたのに」(中野区、小6の母親)

 ここに上がったママたちの話を聞けば聞くほど、対応がまちまちで子どもや保護者が混乱している。基本となるのは文部科学省の「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」。しかし、増加傾向にある子どもの感染や変異株への対応など、具多的な対策に変化はないのだろうか。

 東京都教育委員会に問い合わせると「東京都の都立学校に関しては、各学校には今通知文を出したりしています。基本的な感染症対策は変わりがないので徹底のお願いと報道でご存じかと思いますが学校においてのPCR検査の推進を図っています」(学校安全担当)と、なんとも保護者の不安や不満を払しょくできるものではない。

 コロナ対策に専念するため菅首相は党総裁選に立候補しないと3日に表明。子どもや保護者たちが振りまされる状況を食い止めるようしっかり対策してほしい。(AERAdot.編集部・太田裕子)