中国サイドも徹底して研究している。伊藤の試合の映像を分析し、同じタイプの選手と実戦を重ねることで対策を講じている。ただ、「中国メディアは『伊藤は予測不能の動きが多い』と指摘しています。今まで見たことのない卓球のスタイルに戸惑いがあると思います」と前出のスポーツ紙記者は分析する。

「伊藤は卓球の王道として習うような打ち方ではなく、我流で磨いてきた。例えば、コンパクトなテイクバックから繰り出す『みまパンチ』は他の選手が真似しようと思ってもなかなか真似できない。また、試合中もガラッと戦いを変えることができるのも大きな武器です。サーブの種類も豊富で、手首の返し方、回転の掛け方など多彩な技術で引き出しが多い。簡単ではないですが、中国の牙城を崩して金メダルの可能性は十分にあると思います」

 地元開催の東京五輪で、伊藤は女子卓球の歴史を変えられるか。(牧忠則)