「不法就労の目的で消えてしまう選手がいるんじゃないか、というウワサはあった。それが本当にいなくなってしまった。そのうち、海外のマスコミ関係者の行方までわからなくなってしまった。その対応で目が回るほど忙しかった。失踪の目的はみな、不法就労だったようです」(広島市の元職員)

 東京では新型コロナウイルスの新規感染者が連日1000人を上回る。感染拡大で「第5波」が到来したとみられている。今後、同じようなことが起こらないとは言い切れない。自民党幹部がこう言う。

「今回のような問題は一歩、間違えれば、菅首相の進退にかかわる。もし、消えた選手がコロナに感染しており、それが原因で拡大なんてことになれば、大きな批判を浴び、五輪中止もあり得た。危機一髪だった。そうなれば、解散総選挙を待たずして、菅政権は終わりだった。だからと言って、外国人選手やメディアに対し過剰な制限もできない。今回の五輪の強行はある意味、菅首相の大博打だよ」

(AERAdot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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