世界累計興行収入が500億円を突破した「ゴジラvsコング」 (c)2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.
世界累計興行収入が500億円を突破した「ゴジラvsコング」 (c)2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.
パンク町田/1968年8月10日東京生まれ。ULTIMATE ANIMAL CITY代表(UAC)。NPO法人生物行動進化研究センター理事長、アジア動物医療研究センター(日本ペット診療所)センター長、昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家であり、動物作家(写真:本人提供)
パンク町田/1968年8月10日東京生まれ。ULTIMATE ANIMAL CITY代表(UAC)。NPO法人生物行動進化研究センター理事長、アジア動物医療研究センター(日本ペット診療所)センター長、昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家であり、動物作家(写真:本人提供)

 小栗旬のハリウッドデビュー作となった映画「ゴジラvsコング」の世界累計興行収入が500億円を突破した。「ゴジラvsコング」は、「GODZILLA ゴジラ」(2014)、「キングコング:髑髏島の巨神」(2017)、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019)に続く人気怪獣映画シリーズ「モンスターバース」の第4作目。日米を代表する怪獣のドリームマッチがハリウッドでついに実現したとあって、公開前から注目を集めていた作品だ。先日、記者も映画を鑑賞した。ネタバレになるので内容は紹介できないが、スピーディーな展開でかなり楽しめたといっていい。それに「もし、この世界に、ほんとうにゴジラとコングが実在していたら……」といったありもしない想像が浮かんだ。

【写真】動物研究家・パンク町田さんはこちら

 リアルに戦ったら、どっちが勝つと思うか――動物研究家のパンク町田さんに、そんなバカバカしい質問をぶつけてみると、

「ゴジラを爬虫類、コングを霊長類と分類するなら、あの2体が戦うことはありえない」

 と、バッサリ。どうやらこの戦い、「動物の本能」や「身体の構造」を考慮すると、映画とはまったく違う展開になってしまうようだ。

 ならば、町田さんには映画のストーリーを完全に無視してもらい、動物研究家の視点から「ゴジラvsコング」の勝負の行方を検証してもらった(ゴジラを爬虫類、コングを霊長類として検証)。

*  *  *

 今回の映画に登場するゴジラとコングのスペックは、下記のように公表されている。

【ゴジラ】
身長:393フィート(約120メートル)/攻撃法:放射熱線、テールハンマー、背びれカッター/熱線エネルギー放射量:3.15×1014ジュール[10の14乗]/尾の長さ:582フィート(約177m)/尾の最高スワイプ速度:時速89マイル(時速約143キロメートル)/水中移動速度:40-50ノット(時速約74-92キロメートル)/声の大きさ:最大174デシベル/歯の長さ(根元から先まで):4-5フィート(約1.2-1.5メートル)/歯の数:60本/足の一番幅広い部分の合計:64フィート(約20メートル)/血液量:530,000ガロン(約200万リットル)/骨の引張強度:3,000メガパスカル

【コング】
身長:337 フィート(約103メートル)/攻撃法:クェークスラム、フィンブレイカー、空中戦斧/パンチの威力:最大マグニチュード 4.2相当/骨の引張強度:2,800メガパスカル/声の大きさ:最大170デシベル/歯の長さ(根元から先まで):2.5-4フィート(約0.8-1.2メートル)/歯の数:32本/腕の最高スイング速度:時速62マイル(時速約100キロメートル)/最高二足走行速度:時速78マイル(時速約126キロメートル)/最高四足走行速度:時速104マイル(時速約167キロメートル)/足の一番幅広い部分の合計:55フィート(約17メートル)/好きな食べ物:葉、竹、大ダコ

 町田さんが2体のスペックを比べて真っ先に気になったのは、「呼吸法」だ。

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