「集中砲火を浴びて、炎上した西村氏がついに反撃に出ました。自分だけ更迭されるのはおかしい、ハシゴを外された、という思いがあるようです。官邸では『西村の乱』が始まったと騒ぎになっています。菅首相の『承知していない』は、さすがに酷いという声も出ています。7日夕の打ち合わせた話なのに、首相は『事務方の説明が耳に入らなかった』ととぼけるかもしれません。だが、その場に居合わせた以上、責任は免れません。麻生氏や梶山氏も今さら言いわけを始めたり、メチャクチャですが、この問題は西村氏個人ではなく、菅政権全体として進めた話です」

 西村氏の姿は7月11日朝、選挙区の衆院兵庫9区にあった。18日投開票の兵庫県知事選挙で、自民党候補を応援するためだ。しかし、多忙な西村氏がコロナ禍でわざわざ地元まで舞い戻るのは、異例の事態で危機感の裏返しだという。

「冒頭、ひとことだけ言わせてください。多くの人に混乱、飲食店に不安を与えて反省しています」と謝罪に努めたが、聴衆は冷たかった。

「お願いする側の政府の偉い人が、圧力をかける。どうなっているのか」
「いらんこと言うな」と言い放つ声も飛んだ。西村氏の発言の影響で自民党が推す候補者が追い上げられているという。

「立場が危うくなった西村氏が切れて、首相や周囲を道連れにするかもしれないと政権内では戦々恐々となっています」(前出の官邸関係者)

 一方、東京五輪・パラリンピックを目前に控え、ワクチン不足に陥った「戦犯」の一人、河野太郎行政改革担当相の発言も波紋を呼んでいる。テレビ番組に出演し、モデルナ社のワクチンについて、「ゴールデンウイーク頃には1370万回分しか入ってこないと知っていた」と発言。

 一方で、当初は大規模接種会場、職域接種に「4000万回供給される」と語っていた河野氏。「9月末までに5000万回が供給」という最終的な数字は変わらないと強調した。

 しかし、現在は全国的にワクチン不足となり、地方自治体は相次いでワクチン接種の予約を見合わせているのが実情だ。関東地方のある自治体幹部は、こう怒りを隠せない。

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河野大臣の弁明は許されない発言