都民ファを応援し、自民党と敵対するより、入院して隔離されていたほうが好都合というのだ。

「元気で活動していると、マスコミから都ファを応援しないんですかという質問が飛ぶ。小池さんはそれに対して明確に答えていない。都民ファの応援に行くのなら、自民、公明の応援にも行くのではという噂もあるくらい。都議選後、自民党が大勝した時の議会運営の対策も考えています」(同)

 江東区選出の都ファの白戸太朗都議はこう語った。

「小池さんは倒れちゃいました。調子が悪ければ応援に来れなくても、やむを得ない。国は首相を支える官僚がいっぱいいるけれど、小池さんは都政をほとんど一人でやっています。あれだけの激務は、普通はこなせないと思います。小池さんが5人くらいいるんじゃないかってくらい」

 4年前は「小池旋風」で都民ファが127議席中、55議席(現有議席は46議席)を獲得して圧勝し、都議会第一党となった。だが、AERAdot.編集部が独自入手した自民党の情勢調査によると、都民ファの獲得議席数は16~19議席と厳しい予測となっている。

「都民ファは医師、弁護士、公認会計士出身者が多く、 専門家集団だが職業政治家でない。 受動喫煙対策条例を作るなど国政を脅かしたが、アピール力に欠け票に結びつかず苦戦している」(前出の政府関係者)

 冒頭の荒木代表が戦う中野区では定数3をめぐって、都ファ、自民新人、公明現職に加え、出馬を見送った共産の支援を受ける立憲現職などの候補がしのぎを削る。

「ここは大激戦区です。頑張ります」(荒木代表)

 都民ファの白戸都議もこう言う。

「選挙前にはいろんな予測が出るけど、人のことを気にするよりも、自分がコツコツやるしかない。自分なりにしてきたことをちゃんと伝えていくことだと思っています」

 都議選の投開票は7月4日。12日間行われる衆院選、17日間の参院選と違い、たった9日間の短期決戦となる。小池氏不在で都民ファは戦えるのか。結果に注目したい。

(AERAdot.編集部 上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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