日本ハム時代の吉井投手コーチ(左) (c)朝日新聞社
日本ハム時代の吉井投手コーチ(左) (c)朝日新聞社

 日本ハムの低迷は、吉井理人(現ロッテ投手コーチ)の退団から始まったのか……。

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「投手陣ではエース有原航平(レンジャーズ)がメジャーに移籍したが、若手の台頭も期待されていた。野手陣も西川遥輝が残留してくれたし、清宮幸太郎、万波中正などの成長が見込まれた。戦力は下がっていないと感じていたので、まさかここまで低迷するとは思わなかった」(日本ハム関係者)

 今季の日本ハムは開幕から不調が続き、いまだ復調の気配は見えない。オールスター前ではあるが、すでに諦めの声も聞かれ、栗山英樹監督の去就問題が早くも噴出している。勝てない要因として、12球団ワーストのチーム打率.226(以下、成績はすべて6月21日時点)の打線も指摘されるが、投手陣もチームを支えられていない。上沢直之、ルーキーの伊藤大海など先発陣は頑張っているが、チーム防御率(3.73)はリーグ4位。救援陣の防御率(4.08)はリーグワーストとなっている。

「毎年のように好素材をドラフト指名しても、ある程度のところで成長が止まってしまっている。そういった投手が一軍入りしても、当然、他球団に比べればチームの投手レベルは低い。かつては育成部分に関しては定評があったのですが……。投手が育たない大きな理由は吉井さんの退団ではないか」(日本ハム担当記者)

 吉井は投手コーチとして、08~12年(10年は二軍担当)に日本ハムに在籍。15年のソフトバンクを挟み、16~18年は再び日本ハム、そして19年からはロッテで同職を務めている。各チームで手腕を発揮し、日本ハムではダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)を指導したこともある。

 現在エース格の上沢も吉井コーチが日本ハムにいた18年シーズンにキャリアハイの成績をマーク。また、今季からメジャーに移籍した有原は、野球専門メディア「Full-Count」を通じて寄せた手記(21年2月7日付の記事)の中で、プロ生活の中で一番大きな出会いとして吉井コーチの名前を挙げ、「配球を含め、意識が変わりました」と感謝の気持ちを述べている。かつての“教え子”の声からも選手たちに与えている影響の大きさがうかがえる。

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数字的にも浮かび上がる吉井コーチの手腕