日本ハムには吉田輝星(18年ドラフト1位)、生田目翼(18年ドラフト3位)、今年は主にリリーフ投手として結果を残している河野竜生(19年ドラフト1位)、立野和明(19年ドラフト2位)など、期待の若手ピッチャーがいないわけではないが……。

「日本ハムは選手の能力を独自に数値化した『BOS(ベースボール・オペレーション・システム)』を採用している。スカウティングまでは理想的。しかし結局、最後は人。プレーするのも指導するのも人。今のコーチ人事が悪いわけではないが、投手指導に関しては吉井の手腕が抜きん出ている。球界を代表する名コーチの流出が、最大の戦力ダウンになりました」(在京球団編成担当)

「米国を参考にした斬新な方法を取り入れた。データ、数値によるチーム編成。鎌ヶ谷に二軍施設を置いて若手選手育成に注力。かつては日本ハムが最先端だったが、ソフトバンクをはじめ今では多くの球団に先を行かれた。加えて人材までいなくなったのなら大問題。早めに手を打たないと東京ドーム時代のような暗黒期が来るかもしれない」(日本ハム担当記者)

 吉井コーチが日本ハムに在籍した8年中、チームは3度のリーグ優勝(日本一1回)を成し遂げた。勝利には多くの要素が絡むとはいえ吉井がコーチとして結果を残しているのは明白だ。日本ハムとロッテのチーム成績も、吉井コーチの日本ハム退団と、ロッテ就任以降で立場が入れ替わった。

「日本ハム低迷の原因は吉井コーチ流出が発端」というのは、決して乱暴な意見ではなさそうだ。