侍ジャパンの稲葉監督が、栗山監督の後を継ぐのは既定路線とされていた。20年五輪が予定通り開催されていれば、今年から監督という話もあった。しかしコロナ禍で五輪が1年延期となり、いまだ開催をすべきかどうかの議論すらある。そして前侍ジャパン監督の小久保裕紀が今季からソフトバンク一軍ヘッドコーチ就任したことも影響するのでは、と言われている。

「今夏に五輪が開催されたとしても準備期間が短すぎる。短期決戦の侍ジャパンと長丁場のペナントレースでは監督に必要な資質がまったく違う。小久保も将来の監督候補として経験を積み始めた。稲葉の場合も同様の流れになる可能性がある。新球場開業の23年に稲葉新監督が誕生。これで話題性は十分です」(日本ハム担当記者)

 小久保は13年に常設化された侍ジャパンの初代監督に就任。15年の第1回プレミア12では3位、17年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では準決勝進出という結果を残して、退任した。監督当時から采配面などで疑問が噴出したこともあり、再び解説者として外から野球を見た後、今年から古巣で現場復帰を果たした。

「(ソフトバンクの)次期監督は小久保コーチが有力視されているが、侍ジャパン監督時代は経験の少なさを指摘された。6年で5度の日本一という名将の域に入った工藤公康監督のもとで勉強させるためですね。また柳田悠岐など主力選手をもう一度、引き締め直すための人事にも見える。勝っている時期だからこそ次のことを考えている」(ソフトバンク担当記者)

「稲葉監督をヘッドコーチなどで招聘、現在の日本ハム野球を継承するのも考えられる。急いで監督に担ぎ上げて勝てなかった場合、今後の流れはもっと悪くなる。小久保コーチのこともあり、侍ジャパン監督からNPBのコーチになる路線もできた。稲葉監督なら(コーチとして)中田や清宮にも厳しく指導できる。将来のチームを見据え、しばらく栗山監督に任せるのも悪い判断ではありません」(日本ハム担当記者)

次のページ
新球場開業時の監督は誰に?