そして静岡学園高の10番として「和製アザール」の異名をとった松村優太(鹿島)も2001年4月13日生まれの「久保世代」で、今年5月9日のFC東京戦でリーグ戦初ゴールをマークすると、同22日の鳥栖戦でもゴールネットを揺らして“覚醒”の気配を漂わせている。
FWにも逸材がいる。早くも欧州の舞台に飛び込んだ斉藤光毅(ロンメル)は、2001年8月10日生まれ。優れた俊敏性から変幻自在の仕掛けでチャンスを作り、ゴール前では高い決定力を発揮。昨年まで所属していた横浜FCではJ2通算31試合6得点、J1通算32試合3得点をマークし、2019年のU-20W杯にチーム最年少で選出。強いメンタリティとスター性で、ベルギー2部から這い上がるつもりだ。
高校選手権得点王の実績を持つ染野唯月(鹿島)も今季がプロ2年目、2001年9月12日生まれの「久保世代」。今季ここまで途中出場が多かったが、5月1日の横浜FC戦ではスタメン出場。自らの武器であるポストワークとフィニッシュに磨きをかけている。
さらに注目の逸材が、身長190センチ、体重91キロの大型FW櫻川ソロモン(千葉)だ。ナイジェリア人の父から受け継いだ身体能力を生かしながら、昨季はJ2リーグ戦13試合2得点。今季はスタメン1試合のみで1得点のみだが、これまでの「高さ」、「速さ」、「強さ」に「巧さ」も加わりつつある。このまま期待通りに成長できれば、大迫勇也以上に“ハンパない”ターゲットマンが日本に誕生することになる。
かつて、天才・小野伸二を中心に切磋琢磨を続けた「黄金世代」が日本サッカー界の大きな希望となったように、この「久保世代」が日本の新たな希望になれるか。昨季、欧州でのキャリアが停滞したと言える久保。日本サッカー界にとっては久保の“単独走”ではなく、久保世代の“集団走”の方が、得るものが多く、そして大きいはずだ。