■親子で電車に乗りディズニーランドへ

「ママチャリで疾走する姿を週刊誌にキャッチされたこともあります。菅野さんがその際につけていたマスクはお手製だったようで、ママ層から『芸能人なのに洗って再利用するなんて驚き』という声が上がっていました。また、彼女のママ友であるタレントのMEGUMIさんは、現地集合で一緒にディズニーランドに行ったときに、菅野さんが2人のお子さんと電車で来たことを明かしています。すごく目立つと思うのに、普通にしているのがすごいとおっしゃっていました。芸能人だからとおごらず、質素に子どもたちを育てている姿は好印象でしかありません」(同)

 冒頭の「あさイチ」出演時、仕事復帰をしたものの「両立は無理」と明言していた菅野。「10年かけて自分でバランスを作っていければ。だから今は共倒れです」と笑いながら話す彼女に、勇気や元気をもらっているママも多いはずだ。現在公開中の10年ぶりの主演となった映画「明日の食卓」でも、2児(こちらは男児2人)の母を演じているが、舞台あいさつで「育児って毎日ギリギリだから、綱渡りでちょいちょい落ちることも。そういう怒りはわかります」と日々奮闘する母親役に共感していた。こうした感覚が世の子育てママたちに刺さるのだろう。

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、菅野の今後についてこのように分析する。

「役柄や作品に真摯に向き合うストレートで誠実な人柄が、育児にもしっかり表れていると言えるでしょう。これから先、さらに奮闘する日々の中で感じたこと、考えたことが芝居にフィードバックされ、より深みのある演技を見せてくれることに期待したいですね。彼女にとっては女優業と同じくらい家庭も大事なものだと思うので、本格復帰となるともう少し先かもしれませんが、連ドラ初主演でコンプレックスを抱え母との関係に悩む娘という難役を見事に演じた彼女の出世作『イグアナの娘』(1996年)のリメイク版で、今度は母親役を演じる姿をぜひ見たいです」

 女優ながら自然体で体当たりの子育てを実践している菅野が、ママタレント勢力図を大きく塗り替えることは間違いないだろう。(高梨歩)

著者プロフィールを見る
高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

高梨歩の記事一覧はこちら