公式戦でセレブレイトした際にペナルティを取られた。来日当初ということもあって、受け入れるのに苦しんだ。しかし時間が経過すると共に、Xリーグの慣習や流儀にも慣れてきて適応できるようになった。しかしその中でも自分のスタイルを変えるつもりはない。

「最初はなんでこんな感じでやっているのかなと思った。楽しくないと感じたし理解するのが難しかった。でもペナルティを取られたことで、日本ではこれはダメなんだ、と勉強する機会にもなった。ただ僕自身は小さい頃からこのスタイルでやってきたので、プレースタイルは変わらないと思う。でもサイドラインなどでは礼儀正しくやりたい。セレブレイトなどはワイルドに見えるかもしれないけど、あの人アメフト好きなんだな、という感じで捉えて欲しい」

 Xリーグでプレーしながら北米でのプレーも頭の片隅にはあった。しかしアサヒ飲料チャレンジャーズ(クラブ)の一員でもあり、目標をクラブと日本代表での活躍へシフトし始めた時だった。来日1年目19年冬、日本代表のトライアウトを受けた際、視察に訪れたCFLスカウトから尋ねられた。なぜCFLのトライアウトを受けないんだ?と。

「CFLスカウトがクラブ側と話し合ってくれた。クラブも快く受け入れてくれて、21年のトライアウトを受けさせてくれた。日本でプレーする選択肢もあったが、可能性があるなら1年でも早く挑戦したいというのはあった。だから25歳で挑戦できるのは、感謝しかない。僕は今ピークになっていると思う。今後ボディケアや食事、リカバリーなどをしっかりやれば、30歳くらいまではピークでやれる」

「まずはCFLで活躍しているのを見て欲しい。北米にはアジア人選手がほとんどいないから。もちろん先のNFLも目指していますけど、まずはCFLでロースターに入る。次にスペシャルチームで活躍、ラインバッカーでローテーションに入り、スターティングメンバーになる。そういう小さいゴールをだんだんと積み重ねていく。それからNFLに挑戦したいというプラン」

 男子日本人初の北米プロリーグ選手誕生の可能性が高い。これまで女子アメフト界では北米プロリーグで活躍した選手もいた。しかし男子でこれまで挑戦した選手は多いが、レギュラー獲得に成功した選手はいなかった。丸尾本人も「日本人」というフレーズを多く使う。しかしその思いが逆にプレッシャーになる心配もあるのだが。

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「アメフトは歩けなくなるまでやりたい」