『鬼滅の刃』鬼・愈史郎が“特別な鬼”として生きた理由――1人の女性にささげた「命」と「愛」 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『鬼滅の刃』鬼・愈史郎が“特別な鬼”として生きた理由――1人の女性にささげた「命」と「愛」

愈史郎(左)と珠世(画像はコミックス21巻のカバーより)

愈史郎(左)と珠世(画像はコミックス21巻のカバーより)

『鬼滅の刃』の世界では、すべての鬼は、鬼舞辻無惨から作り出される。しかし、作中にはたった1体、愈史郎という名の、無惨以外から「誕生」した鬼がいた。愈史郎は「医師の鬼」珠世によって作り出され、彼はその珠世に恋をした。鬼でありながら、人間を喰わず、「鬼」として、「人」としての在り方を模索し続けた愈史郎。彼は文字通り「命」をかけて1人の女性を愛することを決意した。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。

【写真】「上弦の鬼」のなかで最も悲しい過去を持つ鬼はこちら

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■美貌の鬼・珠世に「作られた」愈史郎

『鬼滅の刃』に登場する鬼は、鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)によって作り出される。そんな中に、珠世(たまよ)という名の美しい女性の鬼がいた。彼女は医学の知識を持ち、無惨に復讐するため、その機会を待っていた。珠世は人間社会で隠れ暮らしている間に、「人間を鬼化する薬」をあみだす。そして1度だけ、自らの手で鬼を作り出した。

 珠世が鬼にした人物の名は、愈史郎(ゆしろう)という。愈史郎はかつて重い病にかかり、珠世にその病を治してもらった。その代償として、彼は「鬼」の肉体になることを受け入れたのだった。

■人間を喰わない鬼・愈史郎

 鬼化によって、愛する家族を喰い殺した過去のある珠世は、愈史郎には同じ苦しみを味わせることのないよう、周到な準備をこらした。その結果、「人を喰わない初めての鬼」を生み出すことに成功する。

 鬼化によってわきおこる、人を食べたいという強烈な欲求、理性の喪失、記憶の欠損などの弊害を乗り越え、「人に害をなさない」範囲の血を摂取することで、エネルギーを補うことも可能とした。年を取らず病を克服する頑健な肉体、特殊な能力、という鬼の利点を持つ。さらに、「人間を襲わない」ことで、人間との共存すら目指すことができる特別な体を愈史郎は手に入れた。

■愈史郎と珠世の美しさ

 愈史郎の姿は、青年のようにも少年のようにも見える。最終決戦で、彼は鬼殺隊の隊士兼医療班に紛れ込んでいるが、15~20歳頃の隊士たちと一緒でも、違和感がない。珠世も数百年生きた鬼であるが、肉体年齢は19歳、童顔でさらに幼く見えるという設定があり、美しい彼らが2人で並ぶ姿は、『鬼滅の刃』の耽美的な要素を際立たせる。


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