浦和で活躍したポンテ (c)朝日新聞社
浦和で活躍したポンテ (c)朝日新聞社

 緊急事態宣言下でも無観客で熱戦展開中のJリーグ。その歴史を彩り、サポーターを沸かせ、リーグの発展に貢献してきたのが、有名無名の外国人選手たちであり、国籍別で最多人数を誇るのがブラジル出身の選手たちである。その中には、ジーコやドゥンガ、レオナルドといった世界的プレイヤーも多くいたが、例え“そうではなく”とも、優れた能力を持ち、高い貢献度を誇った選手は多かった。改めて彼らを称えるため、「A代表未招集」のブラジル人Jリーガー“ベスト11”を選出し、W杯で上位進出を狙えそうなチームを結成したい。

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 まずGKだが、ここはシジマール(清水)で文句なしだ。身長183センチは決して高くないが、両腕を伸ばした長さは193センチを誇り、愛称「クモ男」の通り、多くのシュートを獲物のようにことごとくキャッチ。シーズン731分間連続無失点のJ1記録を保持する男に最後の砦になってもらいたい。

 DFは4枚。センターバックの1人目は、ペレイラ(V川崎ほか)だ。屈強な肉体と高いインテリジェンス、非常に優れたカバーリング能力を持ち、1994年にJリーグMVPに選ばれるなど、V川崎の黄金期を力強く支えた。カズやラモス瑠偉といった華やかな攻撃陣が力を発揮できたのも、最後尾にこの男がいたからこそ。活躍したのは30年近くも前のことになるが、足元の技術、フィード能力も含めて、実に現代的なDFだったと言える。

 その相棒には、シジクレイ(G大阪ほか)を選ぶ。身長187センチの高さと鋼の肉体を持ち、スピード不足を補って余りあるフィジカルの強さで相手FWを圧殺。その頼もしき姿に「残念、そこはシジクレイだ」という言い回しも誕生。ボランチにも対応可能な能力の多彩さもあった。所属した5クラブで積み上げたJ1通算289試合出場は、外国人選手として歴代2位を誇るなど、実績も申し分なしだ。

 左サイドバックは、ドゥトラ(横浜FM)だ。抜群のスピードと疲れ知らずの豊富な運動量で左サイドを上下動し、攻め上がっては精度の高い左足クロス、守って抜群の対人能力の高さを発揮する。J1通算213試合出場。献身性も高く、90分通して安定したプレーを見せることができる男を、チームから外すわけにはいかない。

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タレントも多かった中盤は?