東京電力福島第一原発から出るトリチウムを含む処理水を海洋放出することを政府が正式に発表すると、野党から意見が再噴出したり、周辺諸国から非難されたり、さらには復興庁のトリチウムのゆるキャラ化で“炎上”。はたまた麻生財務相「飲めるんじゃないですか」発言まで飛び出す始末。原発事故後も福島に何度も足を運んだお笑い芸人カンニング竹山さんが、「いま大事なことは風評をなくすこと」と訴える。
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政府が東京電力福島第1原発のトリチウムを含む処理水の対応を話し合う関係閣僚会議を開き、処理水を海洋放出が13日に正式に決まったじゃないですか? 前にもAERAdotのこのコラムで話していますけど、海に流さなかったら、空に放出するとか、モルタルで固めるとか、色々方法を考えたけどコスト面やどこに放出するのかなどの問題があった。それで、長い間話し合って、一番いい方法はトリチウムを海に放出するとなったわけです。
それなのに海に放出すると正式に政府が発表すると、色々な方面から様々な意見が出てきた。野党、漁連、近隣の諸外国、色々な立場から意見が出るのはいいと思うんだけど、放出しか手段がないって話し合ったのに、これだけ意見が出てきてしまうのは、処理水の報道があまりにもなさ過ぎたのと、そもそも原発のことを知ろうとしてこなかったから。
19日放送の報道番組「サンデーモーニング」(TBS)で「処理水の放出を認めたら燃料デブリもしそう」という発言に対して、衆院議員の細野豪志さんがTwitterで「全く前提知識のない人を知識人として地上波でコメントさせる弊害。」書き込んでいたけど、処理水と燃料デブリと全く異なるものなのに、それを放出って、原発のことを全然知らないわけだよね。知らないのを揚げ足取っているのではなく、「燃料デブリも流しそう」みたいな発言があると風評被害につながるわけですよね?
原発のことを知らなさすぎるから、処理水の海洋放出が「放射能を海に流している」と思っている人もいるわけです。だから、処理水を海に流すと放射能を流しているのと同じだと言う人も中にはいるんですけど、それは全く違う。だから、いまこそ処理水とはどういうものなのか、処理水に含まれているトリチウムはどういうものなのか? 伝えていくべきだと思う。原発を稼働させるとトリチウムというものが必ず出ているんですよ。