写真はイメージです(Getty Images)
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 V6の突然の解散発表。ファンならずともその発表を感慨深く受け止めた人は多かっただろう。ツイッターでは直後から、「#V6ありがとう」とつけた投稿があふれた。メンバーが出演していた人気テレビ番組「学校へ行こう!」をリアルタイムで見ていた世代からは「私の青春でした」という声も多い。なぜ、V6はアンチが少なく、世代に偏りがなく支持されるのか。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、V6が愛される理由をつづった。

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 3月12日の解散発表から1週間。V6メンバーとファンの皆さんとの“答え合わせ”が続いている。

 発表から一夜が明け、主演舞台『Oslo』福岡公演の4回目のカーテンコールでグループ解散に至る経緯とファンへの想いを話してくれたのはリーダーの坂本昌行だ。その中で私がもっとも印象的であり、胸が苦しくなったのは「いつ言おうか、いつ言おうかと思いながら昨日(12日)を迎えました」だ。

 私は坂本がレギュラーを務める『One Dish』(フジテレビ系『ノンストップ』内の料理番組)の立ち上げ作家だったこともあり、近年、坂本の人となりを近くで見せてもらう機会が多かった。ミュージカル俳優として確固たる地位を築いているだけでなく、リーダーとして、年長者として、ここまでグループのことを考えている人というのも、そうは居るまい。同時に、番組に対しても強い責任感と細やかな愛情を注ぎ続けてくれている。『ノンストップ』スタート時から継続しているコーナーは『One Dish』だけである。グループの活動以外でも彼は“リーダー”なのだ。

 思えばこの2年程、ジャニーズ事務所では、嵐の活動休止発表に始まり、TOKIOや少年隊からの大切な発表が続いていた。坂本は、そうしたことも踏まえ、リーダーとして、ファンの皆さんに真実を伝える時期を思い悩んでいたのではないか。

 そして12日は東日本大震災から10年経った“3.11”の翌日だ。事務所が一丸となって“Marching J”というチャリティ活動を続けてきたうえ、V6メンバーは阪神・淡路大震災のチャリティ活動の一環として活動してきた“J-Friends”のメンバーでもある。朝刊スポーツ紙の芸能面が震災関連となる12日の夕刻の発表なら、自分たちのことで紙面が割かれるのは13日。発表のタイミングには、長年、被災地に心を寄せてきた彼らの想いも感じ取ったものである。

 もう一つ、浮かんだのは『RIDE ON TIME』のことだった。フジテレビでオンエアされている『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』。4週にわたり、ターゲットをカメラが追い続ける文字通りのドキュメンタリー番組で、V6の最終回は解散発表から1週間後の19日深夜だった。

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山田美保子

山田美保子

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

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「仲間(森田)の提案を5人は止めることはできない」