配信ライブでマイカメラを握りしめた岡田を自身のスマホ越しに笑顔で見つめていたのは三宅健である。配信時は既に解散することが決定してから約1年が経っていたが、こうした和気あいあいとした様子にも、「みんなが笑顔で『そうだね』と言って(解散を決めた)」という“坂本コメント”が重なった。

 坂本に続いて、ファンに寄り添うコメントをしたのは三宅である。15日深夜、自身の冠ラジオ番組『三宅健のラヂオ』(bay fm)で「どれだけの人数の子たちが、どれだけ悲しむのかっていうのを考えたら、発表する日は怖かったです」と率直な心境を明かした後、出演舞台『藪原検校』石川公演へ向かう新幹線の車中、「(メールの)みんなの気持ちを読んでいたら涙が止まらなくて。新幹線で一人号泣している自分がいました」と伝えてくれたのだ。

 三宅は配信ライブ後のコメントでも「ホント、会いたかったね」と言っている。そして、ファンと「繋がってると改めて感じた」とは森田。長野博も「ファンの方たちに支えられているからこそ」と言い、岡田は再び、年月に言及した。25年もの間、愛されるアイドルで居続けようとする気持ちは自分たちにしかわからないものだと思っていたそうだが、それがファンの皆さんと共有している気持ちであることに気づいたというのだ。井ノ原は、「一人も欠けることなく守り続けてきた」「人生においてすごく大きな意味のあること」と言い、坂本は「いいことばっかりじゃなかった」と振り返るも、ファンの皆さんに「勇気と元気をもらっている」と締めくくった。

 配信ライブを終えて楽屋に戻った6人が見つけたのは壁に貼られた大きな大きな寄せ書き。ライブのスタッフの皆さんからのものだった。スタッフにも本当に愛されていたエピソードとしては、20周年記念ライブの際、スピーカーを片手にした事務所の幹部女性が大勢のファンの皆さんに向かい、「こんなにダンスが揃うグループって、他にないよね?」と問いかけていたことである。

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当初の“格差”があったからこそ優しくなれた