そして、ストローク数としてはデイリーや、ナ、マッコードらに及ばないが、ここ一番での「やっちゃった」と言えば、ジャン・バンデベルデ(フランス)だろう。

 1999年の全英オープン、最終日を最終組で回ったバンデベルデは、最終18番まで2位に3打差をつけメジャー初優勝確実という状況だった。しかし、悲劇はここから起こる。ティーショットを大きく右に曲げ隣のホールに打ち込むと、グリーンを狙ったセカンドショットはギャラリースタンドを直撃し深いラフへ。そしてグリーンオンを狙った3打目がクリークに吸い込まれた。

 バンデベルデは、4打目をクリークから狙ったが、これはいくらツアープロとは言え明らかに無謀な考え。悩んだ末に1打のペナルティを受けると、5打目はクリークこそ越えたがバンカーに入れ、6オン1パットのトリプルボギーで最終ホールを終えた。このトリプルボギーでプレーオフとなると、結局バンデベルデはポール・ローリー(スコットランド)に大逆転負け。このシーンは「カーヌスティの悲劇」と呼ばれ、ある意味、どんな大叩きよりも強烈な「やっちゃった」感をゴルフファンに植え付けることになった。

 ここで挙げた大叩きは、全てプロにとって稀な出来事だが「弘法にも筆の誤り」や「猿も木から落ちる」という諺もある。皆さんには、トッププロでも起こる大叩きを気にせず、来るゴルフシーズンのゴルフを存分に楽しんでもらいたい。