マスターズの晴れ舞台でウッズ以上に大叩きをしたのが“神の子”セルヒオ・ガルシア(スペイン)だ。何の因果かガルシアの大叩きも、連覇を目指した大会で起きる。2018年マスターズの初日、15番での出来事だった。パー5の第2打で2オンを狙ったガルシアの一打は、一度はグリーンに乗ったもののスピンがかかっており、クリークへ転がり落ちる。

 目を覆いたくなるシーンはこれからで、第4打、第6打、第8打、第10打はまるでリピート再生しているように、ボールがピン手前に落ちるとクリークへ逆戻り。ようやく第12打でピン左にとまり「13」でホールアウトした。

 ちなみにこの15番での「13」はワーストストロークだが、この前の記録は「11」でこの中には1987年の尾崎将司も含まれる。約30年の時を経て、ガルシアが不名誉な記録を更新したというわけだ。

 マスターズ以外の大叩きはどうだろうか。1986年のフェデックス・セントジュード・クラシックでは、ゲイリー・マッコードが「16」ストロークを叩いたが、10年前のバレロ・テキサス・オープンでもケビン・ナ(米)が9番パー4で同じく「16」を記録している。

 しかし、上には上がいる。PGAツアーの大叩きでジョン・デイリー(米)の右に出るものはいないのではないだろうか。メジャー2勝を誇るデイリーだが、三度の離婚、アルコール障害など波乱万丈な私生活のように、ゴルフも豪快そのものだった。

 中でも1998年のベイ・ヒル招待の6番パー5では、ティーショットを池に入れると、ティーグラウンドから30ヤード先にドロップし、そこから5回連続で池ポチャ。13打目でようやく池を越え、結局ホールアウトまで「18」打を費やすことになった。

 一方、国内に目を移すと1ホール「19」という記録がある。これは2006年のアコムインターナショナルで、立山光弘が初日8番パー3で叩いたストローク数。当時シード選手として活躍していた立山だったが、このホールではブッシュからブッシュに渡り歩くなど、グリーンまで17打かかり不名誉な記録保持者となってしまった。

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メジャー制覇目前で悔しすぎる大叩き