非常時にデマに惑わされて買い占めないように備蓄を(撮影・編集部)
非常時にデマに惑わされて買い占めないように備蓄を(撮影・編集部)

 ないと困るものといえば、トイレットペーパー。防災備蓄のリストに入っていますか。人はデマに惑わされやすく、新型コロナウィルスの流行初期にも買い占めが起きました。いざという時、スーパーやドラックストアに長蛇の列を作らないためにも、トイレットペーパーの備蓄は普段からしておきたいものです。防災備蓄収納マスタープランナーで、防災士の堀中里香さんが、備蓄のコツを教えます。

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 毎年9月1日の防災の日に向けて、経済産業省のロビーにて「トイレットペーパーを備蓄しましょう!」というパネル展示が行われているのをご存じですか。経産省によると、トイレットペーパーはほぼ100%国産。日本家庭紙工業会は「トイレットペーパー供給継続計画」を策定し、災害の際にはトイレットペーパーの増産等を行うことになっていますが、それでも1か月程度の混乱が起こることが予想されているそうです(※)。

 トイレットペーパーを製造している会社は、東海地方に集中しています。静岡県で全国の生産量の約4割を生産しているそうです。万が一、南海トラフ巨大地震が起きて静岡県が被災した場合、工場が動かなくなることはもちろん、交通網が寸断されてトイレットペーパーが届かない、という恐れがあるのです。

 また、トイレットペーパーが不足するのは、自然災害だけではありません。昨年の2月、全国各地でトイレットペーパーが店頭から消えたのは記憶に新しいと思います。このときは「トイレットペーパーがなくなる」というデマがSNSで拡散されたのが発端でしたが、古くはオイルショックのときも、トイレットペーパーの買い占めが起きたといわれています。人間の思考回路は簡単には変わりません。何かのきっかけで同じようなことが再び起きる可能性はあります。

■ 経産省の目安は4人家族で16ロール

「1パック買って、最後の1ロールになったら買いに行きます」という方、そのサイクルだといざという時大変なことになってしまうかも。経産省で推奨しているのは家庭で1か月分のトイレットペーパーの備蓄です。

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どうやって必要量を知る?カンタンな方法