トイレットペーパーの「1か月分」と言われても、なかなかピンときませんよね。経産省によると、4人家族の場合の1カ月分の目安は16ロール。1週間で一人1ロールという計算です。

ただ、実際は家族の人数にもよりますし、男性か女性か、普段はどうやって使っているかによって必要な量は変わってきます。また、最近は1ロールの長さがさまざまなタイプが販売されています。

そこで備蓄の前に、自分の家族はどれくらいの期間でトイレットペーパー1ロールを使い切るのか、確認してみましょう。

やり方は、新しいトイレットペーパーの芯に、交換した日付と時間を書くだけ。書いたらセットして、使い始めましょう。使い終わったら、芯に使い終わった日付と時間を書き、そこから1カ月の必要量を計算します。例えば2人暮らしの家族で1ロールを3日で使いきったら、その家族に1カ月で必要なのは10ロール。今使っているメーカーのモノを買えば大丈夫。何度かやってみて、平均を取るのがおススメです。

■   収納場所に困ったら、1巻きの尺が長いタイプを

必要量が分かったら、備蓄しておく場所の確保です。場所がないから備蓄していない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方はぜひ、1巻きの尺が長いタイプを使ってみてはいかがでしょうか。通常のシングルは50メートル~60メートルが主流ですが、長尺タイプと呼ばれるものは、1巻き250メートルという商品もあります。ドラッグストアやネット通販などで探してみてください。

ローリングストックとして、1カ月分ほど余分に買って、使っては補充する方法でもいいですし、長期備蓄として普段使いとは分けて保存しておく方法でもどちらでもいいでしょう。長期保管用に真空パックされているタイプもあり、カビや湿気から守ってくれます。

   いざという時に冷静な判断ができるように

昨年の2月の騒動では、最初は単なるデマでしたが、「不足するかも」「なくなったらヤバい」と心配になった人が必要以上に買いに走ってしまい、一時期本当に店頭から消えてしまいました。普段から自分に必要な量を知っておき、自宅に一定量ストックしていたら、「まだ大丈夫」という冷静な判断ができたかもしれません。

いざという時のわたしのために、今できることをやっておきましょう。(文/防災備蓄収納マスタープランナー・防災士 堀中里香)

※    https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828004/20200828004.html

堀中里香(ほりなか りか)/1972年、東京都生まれ、栃木県在住。元ソニーのソフトウェアエンジニアとしてAIBO・QRIOの研究開発、UIデザイナ―としてXperiaの開発に携わる。退職後に整理収納アドバイザーと出会い、整理収納の考え方がUIデザインの考え方と似ているという気づきから興味を持ち、2014年に整理収納アドバイザーの資格を取得する。一方、2011年3月の東日本大震災では都内で被災。ボランティア等で東北を訪れるうちに防災備蓄を整理収納と合わせて伝えたいという思いが高まり、2017年4月に防災備蓄収納マスタープランナー、2019年12月に防災士を取得。現在、「あなたのいえのかたづけこびと、そだてませんか」をモットーに、日常は整理収納で、非常時は防災備蓄で、安全で安心な暮らしをサポートする。防災を考慮した整理収納サポートや、オンラインでの整理収納×防災備蓄セミナーが好評。整理を習慣づける週一オンライン部活動『みんなでおかたづけクラブ』も行っている。NHKひるまえほっと出演。ブログ『かたづけこびとのみつけかた』https://ameblo.jp/karikanariho/