87年オフのドラフト1位で入団し、通算22年在籍で2480安打を放った“ミスタードラゴンズ”。通算の二塁打(487本)の日本記録保持者でもあり、走攻守3拍子揃った球史に残る名選手だった。

「臨時コーチ就任は、監督就任への布石と見て間違いない。有望な若手も多数在籍しており、近未来での黄金期到来も夢ではない。立浪監督で強い中日が戻って来れば盛り上がる。時計の針がようやく動き始めた」(中日担当記者)

 現役時代の実績や存在感は問題なし。監督交代問題が起こると必ず名前が挙がるほど、就任を待望する声は多い。しかし女性問題など、グラウンド外でのトラブルが度々露呈していたこともあり慎重論も多かった。

「グラウンド外での問題も片付いたのだろう。09年の現役引退から10年、かなりの時間が経過している。“禊ぎ”には十分。罪を犯したわけでもないしね。嫌悪感を抱いていた人もいたが、もう良いでしょうと。中日も優勝から遠ざかっている。立浪に期待する人は多いはず」(地元財界関係者)

 侍ジャパン打撃コーチは短期だった。フルシーズンでの現場経験がないまま、監督に就任することを不安視する声も聞こえる。まずは臨時コーチから指導者経験を重ね、然るべきタイミングでの監督就任という流れが予想される。

「与田剛監督からは『打撃に専念して欲しい』と言われているらしい。球団全体で立浪を指導者として育てる方針。与田監督も理解しているからの発言だろうし、今後も頻繁に指導を頼むことが予想される。来年以降、まずはコーチとして現場復帰する可能性は大きいのではないか」(中日OB)

 中日OBで最も現場復帰が待ち望まれる立浪。本来なら指導者としてじっくり育てたいのだが、それもチーム状況次第。3年契約最終年の与田監督の下でチームの結果が出なければ、プランは変更せざるを得なくなる。

「与田監督には賛否両論ある。契約最終年で結果を残さなければ、解任という声も出るはず。そうなった場合、即、立浪監督誕生という可能性もある。指導者経験なしの監督が結果を残せるほど、甘くはないが……」(中日担当記者)

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“立浪監督”誕生で球場に来るファンは増える?