昨年はリーグ3位となり8年ぶりのAクラス入りは果たしたが、首位・巨人とは8.5ゲーム差と大きく離された。采配を疑問視する声も多く聞かれ、リーグ優勝という結果が出なければ契約期間満了での退団が現実的だ。

「次の監督候補が見当たらない。あと数年、与田監督がチームを率いて、そこで立浪をコーチとして勉強させてから監督就任が理想的。仮に今シーズン結果が出ずに監督交代となれば、来年、立浪監督誕生の可能性もある。そうなった時には準備不足は否めない」(中日担当記者)

 立浪監督誕生には周到な準備とタイミングが重要。だからこそ周囲は期待とともに、「焦りは禁物」と不安感もある。まずは今年の中日が勝つことが重要になる。そうすれば立浪をまずは指導者として育てられる。その後、チームの戦力が整った状態で、満を持して監督を任せることができる。

「やっぱり強いだけでは盛り上がらん。勝っても慣れてしまうから。華があるスター選手や監督がいれば、誰もが見たいと思う。ドームの立地が悪かろうが、足を運ぶ。立浪が監督になって、根尾や石川が中心だったら最高。みんながそれを望んでるよ」(地元財界関係者)

「勝つことが最大のファンサービス」と公言していたのは元監督の落合博満だった。04年から11年までの8年間全てでAクラス入りし、リーグ優勝4回、日本一1回(07年リーグ2位からの勝ち上がり)と黄金期を築き上げた。絶大的な強さを誇ったものの、人気が年々下がって行ったのは記憶に新しい。

 壊れそうで危うくも見えた少年が、ヤンチャな若大将を経て大人になった。酸いも甘いも経験した男は強く、面白いことをやってくれるはず。立浪が再び、名古屋を熱くする日は思ったより早いかもしれない。今年は中日の未来を左右する年になりそうだ。