公式ではなかなか言えないことも、私から菅さんにこっそりと伝えるなどして、本音も話してきました。わが党の立場や意見もよく理解して頂いており、安倍政権を一緒に支えてきたという自負もあります。菅さんとは議員としてずっと同じ目線で付き合ってきたので、ひとりの政治家としても期待しています。

――首相に就任してからは、口下手で国民への発信力が低い、コミュニケーションが上手ではないという欠点も指摘されています。

 官房長官のときは、それが手堅さという形で評価されましたが、総理になられたのだから、もっとご自分の考えを前面に出してもいいと思います。内心では、本当にいろいろと物事を考えていらっしゃる方です。個人的には、それを正直に発信されてもいいのではないかと思います。

――菅首相が提唱する「自助」を優先する社会と、公明党が掲げる「大衆福祉」では、実現したい社会が異なっている気もします。

 率直に、考え方に違いはあると感じています。公明党も自助を否定するわけではありませんが、今は自助だけではどうにもならない状況が増えています。非正規で働く女性もそうです。だからこそ、そういう方々の声をすくいあげられる公明党が政権の中にいるべきだと思っています。政党が違うので、考え方が違うのはある意味当然です。菅総理が言う「自助」は自民党の伝統的な考え方なのでしょうが、我々はもっと「共助」と「公助」を大切にしていきたい。そこは連立与党であっても、お互いにぶつけ合っていくべき部分だと考えています。

(構成=AERAdot.編集部・作田裕史)