3つ目は、鳥獣被害の対策です。選挙区には郡部も抱えているので、現場を歩くとイノシシ、猿、鹿などの被害が多いことがわかります。田んぼや畑は獣が入らないようにほぼ柵で囲われています。こうした対策を継続していくとともに、根本解決も目指すべきです。森林の再生です。獣が山から下りてくるのは、山が荒れているからです。山に人の手を入れる必要があるのですが、それにはお金がかかる。そのお金を捻出するにはカーボンニュートラルの推進しかありません。日本は森林大国で二酸化炭素の吸収源である森林がたくさんあるので、吸収源対策をしっかりとやる。そこでお金を生み出して森を守り、動物を森に帰してあげることが必要だと考えています。

 4つ目は平和政策。核廃絶、被爆者問題です。私は「在外被爆者に援護法適用を実現する議員懇談会」の会長を務めています。昔は被爆者でも海外にいる人には援護法が適用されなかったのですが、それはおかしいということで長年運動してきた結果、今ではきちんと適用されるようになりました。まだ課題は残っていますが、核廃絶と一緒に取り組んでいきたいと思っています。被爆者の方は高齢化しており、何とかご自分が生きているうちに核廃絶への道筋をつけてそれを見届けたいと願っていらっしゃいます。広島県選出の国会議員としてはその実現に向けて尽力して参りたいと考えています。

――最後に、菅義偉首相についてお聞きしたいと思います。菅政権が発足して5カ月がたちましたが、与党として政府との付き合い方などは変わりましたか。

 党として政府との付き合い方の変化はありません。ただ、私個人としては、菅総理とは距離の近さは感じます。菅総理は7年8カ月にわたって安倍政権で官房長官を務められましたが、私はその間、公明党の幹事長、税調会長や選対委員長として、さまざまな議論をしてきました。消費増税に伴う軽減税率導入を巡って喧々諤々の議論をしたのも、当時の菅官房長官でした。私の政府側のカウンターパートは常に菅さんだったので、1週間に一度は朝食を共にして意見交換もしてきました。

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「今は『自助』だけではどうにもならない」