昨年2月に「ダイヤモンド・プリンセス号」に隔離されている乗客に、持病の薬を提供できるようにしたのも我々の働きかけでした。乗客の1人から公明党の市会議員に「持病の薬がなくなったので何とか届けてほしい」と連絡があった。それを対策本部で厚労省に話をしたことで、措置が取られたのです。

――自民党よりも公明党の方が「現場の声」を細かく拾えるというのは、地方議会に足場があるからですか。

 そうです。公明党には「訪問・対話」という大きな運動方針があります。国会議員も含めて、全国で約3000人の議員が常に全国で現場の声を聞いて回っています。訪問と対話は、我々の政治活動の根幹です。

――公明党が細かく国民の声を拾い上げていたとしても、政府のコロナ対応は後手に回ったり、的外れだったりしました。結果、政権支持率も急落した。政府の対応はどこかで間違ったわけですが、どこを見誤ったと思いますか。

 現場では、やはり「経済的に困っているのでどうにかしてほしい」という声が圧倒的に多く、声も大きかった。だから、我々も感染拡大防止と経済活動の両立を掲げてきたし、政府もGoToキャンペーンなどで後押ししてきた。「GoToで感染拡大するエビデンスはない」とも言ってきました。しかし結果的には、それを強調しすぎたのだと思います。

 議員に直接訴えるのは、やはり経済的に困っている人であり、それを「現場の声」だと思うのは当然です。しかし、議員に声を上げない大勢の人たちには、未知のウイルスに対する不安や恐怖が根強く残っていて、もっと感染対策でリーダーシップを取ってほしいと願っていたのだと思います。なのに政府は経済対策ばかり強調する。そこに、ズレがあったのだと思います。我々も与党として政府方針には責任がありますから、率直に反省しています。

――それだけ公明党がコロナ対策に意識を高めていたにもかかわらず、1月22日、公明党の遠山清彦元衆院議員が深夜に銀座の高級クラブを訪問していたことが発覚しました。緊急事態宣言下で、国民には外出自粛を呼びかけている中でのこの行為には大きな批判が起こり、遠山氏は議員辞職しました。公明党からこのような議員が出たことを、党副代表としてどう受け止めていますか。

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「(遠山氏は)銀座のクラブとは知らなかった」