日本神話上、「最も古い神さま」なのに歴史が浅い理由 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本神話上、「最も古い神さま」なのに歴史が浅い理由

連載「あなたの知らない神社仏閣の世界」

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久留米の全国総本宮・水天宮

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妙見本宮 千葉神社

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武蔵国四宮_秩父神社

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 先日、お参り大好き集団界隈で有名な神社の禰宜(ねぎ)が、わいせつ行為で逮捕された。ご本人は否定されているようなので事実関係については触れないが、この社が有名になった理由のひとつに祭神が天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を祀っていたことがあるように思う。もちろん、変わったお守りの授与もあっただろうが、私のブログでも天之御中主神は人気の神さまで、時折アクセスが集中したりもする。

●宇宙の中心の神・アメノミナカヌシ

 天之御中主神は、日本神話の世界で最初に登場する神さまである。のちに登場する「高皇産霊神(たかみむすびのかみ)」と「神皇産霊神(かみむすびのかみ)」と併せて造化三神と呼ばれ、この世を創造した根源と伝わっている。神さまたちが最初にいたのは高天原(たかまがはら)というところで、ここで他の神々が産まれ、やがては地上が創造されていくのである。このことから天之御中主神は、天中の神、つまり宇宙の中心、最高神と考えられているのだ。

●そんなアメノミナカヌシの秘密

 ところが、日本の神社に祀られる天之御中主神の歴史は浅い。前述の有名な神社も創建は昭和になってから、「全国神社名鑑」にその名はない。東京都内の神社で言えば、天之御中主神(漢字表記は各社さまざまであるが)を祭神として祀る社は10社にも満たない。中でも主祭神となると奥多摩の方に数社ある程度である。これは天之御中主神は最も古い神さまでありながら、存在自体はかなり新しい神さまのために他ならない。

●日本の神さまと仏さまの関係は

 仏教に「三十日秘仏」という考え方がある。昔は太陰暦だったので、一カ月は30日と定まっていて、各日に縁日の定められた仏さまがいて秘仏などのご開帳が行われてきた。たとえば薬師如来は毎月8日、観音菩薩は18日、不動明王は28日というように30日のすべてに仏さまが割り当てられている。これに類するものが「三十番神」という神さまバージョンになる。1日の熱田大明神から30日の吉備大明神までの間に天之御中主神にあたる神さまはいない。もちろんこの「三十番神」の考え方は仏教の影響を強く受けた神仏混淆の信仰なので、日本神話とつながる神さまの登場する機会は少ない。

●神仏混淆の代表的な神々とは

 そういう意味では、現在残る日本の神さまの多くは仏教の影響を強く受けた神さまの方が多く残っていると言えるかもしれない。たとえば、日本に一番多いと言われる八幡神社や稲荷神社は長く神仏混淆の神さまとして祀られてきて、今でも「八幡大菩薩」と呼ばれたり、お寺にお稲荷さまの社が置かれていることもめずらしくない。


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