神戸、札幌がハイプレス戦術で善戦した一方、 “引いて守る”ことを選択するチームも増えるだろう。昨季は新型コロナによる特別ルールによってJ2降格がなかったが、今季は“その反動”で4チームが自動降格となる。そのために今季、川崎相手になりふり構わず勝点1を確保するため、試合開始直後から明確な守備的戦術を敷く下位チームが増えることが予想できる。少なくとも川崎の攻撃サッカーが、昨季以上に研究され、対策を練られ、厳しくマークされることは避けられない。交代枠5人が今季も継続されることになった点は川崎にとっては朗報だろうが、ゼロックス杯と同じように勝ち切れるかどうか。

 ギリギリの戦いになった際、最後の粘りの部分はメンタルに大きく左右される。下位チームに昨季はなかった「残留」という明確な目標がある中で、昨季同様に川崎が圧勝を重ねることは非常に困難になる。その意味で“打倒・川崎”を実現できる可能性は、多くのチームにある。その混戦状態が、2021年のJリーグをさらに盛り上げる。