先日、芝居を観に行ったんですけど、ゾンビのお話やったんです。コメディとかじゃなくて、シリアスな舞台なんですけど、その中で、ゾンビもマウスガードをして出てきたんです。

 そういうボケとかじゃなくて、出演者全員がマウスガードをつけないといけないという規定があってのことだったんですけど「どんなゾンビやねん!」と思うと同時に、もしかしたら、この先、舞台上のこういうことも気にならない“当たり前”になるのかもしれない。

 無意識の中の意識というか、そういう部分も確実に変化していってるんだろうなと。

 お芝居を書いていても「これはいつの時代の話なんだ?」という意識が、いろいろなところにチラついて邪魔になる感じはありますね。

 シチュエーションとしては明らかに今の時代を描いているんだけど、登場人物がマスクをしていないということは、2020年よりも前の話なのか……とか、そういう意識が濃淡は見る人によって違うでしょうけど、お客さんの頭の中にチラチラする。

 これがあるだけで、物語にスッと入りにくいですしね。邪魔といえば邪魔な感覚だし「この話はいつの話なの?」ということを変に突き付けられる流れはあるなと。

 そんな中ですけど「ザ・プラン9」としては、去年メンバーが3人から6人に増えましたし、先ほどもお話をしたように20周年も迎えます。

 僕の人生を振り返って、趣味とか全てを含めても、これだけ続いたものって「ザ・プラン9」だけなんです。コンビ時代も10年ほどで終わりましたしね。

 自分でも「20年も続いてるんや…」という驚きもありますけど(笑)、何よりメンバーに恵まれてきたというのが大きいと思います。本当に。

 別に僕が何かをしたわけじゃなんですけど、今のメンバーでいうと、浅越(ゴエ)もヤナギブソンもちゃんと食べられるようになりましたし、去年入った新しい3人(コヴァンサン、きょうくん、爆ノ介)が食べていけるようになったらなという思いはあります。

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西のクドカンと呼ばれて