なぜ煉獄杏寿郎は「夢」を見なかったのか 映画『鬼滅の刃』の重要シーンでわかる「炎柱」の生き様 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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なぜ煉獄杏寿郎は「夢」を見なかったのか 映画『鬼滅の刃』の重要シーンでわかる「炎柱」の生き様

植朗子dot.
炎柱・煉獄杏寿郎(画像は「鬼滅の刃」公式Twitterアイコンより)

炎柱・煉獄杏寿郎(画像は「鬼滅の刃」公式Twitterアイコンより)

 映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、2020年10月の公開から約4カ月で興行収入370億を突破した。映画のキーパーソンである炎柱・煉獄杏寿郎の名セリフ「心を燃やせ!」はSNSでもトレンド入りし、彼の生き様は多くの人を魅了した。今なお根強い人気を誇る、若き「炎柱」の生き方を改めて考えてみる。(以下の内容には、映画の内容、および既刊のコミックスのネタバレが含まれます)

【写真】「上弦の鬼」のなかで最も悲しい過去を持つ鬼はこちら

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■映画『鬼滅の刃』の主人公は煉獄杏寿郎

 漫画『鬼滅の刃』は、主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼にされてしまった妹の禰豆子(ねずこ)を「人間に戻す」ために、鬼たちと戦う物語である。

 しかし、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」では、後半の場面で、鬼討伐部隊「鬼殺隊」のリーダー、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)と、「上弦の参」と呼ばれる鬼・猗窩座(あかざ)との戦闘シーンがメインで描かれている。

 しかも、この映画のエンドロールに使用されているイラストは、すべて煉獄杏寿郎である。彼が愛した煉獄家の家族、いつも戦いを見届けていた杏寿郎の鎹鴉(かすがいがらす※伝令役として剣士のそばにつき従うカラス)、彼の日輪刀など、計5枚のショットがスクリーンに映し出される。驚くべきことに、その他のキャラクターは登場しない。これらをふまえると、この映画の主人公は、間違いなく煉獄杏寿郎であるといえよう。

■煉獄さん、「どこみてるんですか?」

 煉獄杏寿郎の原作初登場は、6巻・第45話「鬼殺隊柱合裁判」のシーンである。杏寿郎は、炭治郎に隊律違反を指摘し、「鬼もろとも斬首する!」と一方的に断罪する。鬼殺隊を率いる産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)の命により、炭治郎たちへの処罰を思いとどまった杏寿郎であったが、炭治郎たちとの再会時には冒頭から「うまい!うまい!」と叫びながら、大量の弁当を食べ続け、周りを驚かせる。

 その後も会話は続くが、杏寿郎は炭治郎の問いかけに、素早く親切に返答はするものの、その目は何を見ているのかよく分からない。答え方も極めて“せっかち”だ。驚きのあまり炭治郎は「えっ!?ちょっともう少し…」「待ってください そしてどこみてるんですか」と、思わず杏寿郎に詰め寄ってしまう。当の杏寿郎は、そんなことをまったく意に介さない。杏寿郎はいったい何を見ていたのだろうか。時折、射抜くような目で相手を見つめはするものの、彼は自分のペースで話し、戦い、いろいろなことを素早く処理していく。


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