『鬼滅の刃』における「兄と妹」の物語――竈門炭治郎・禰豆子から考える「きょうだい」のかたち (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『鬼滅の刃』における「兄と妹」の物語――竈門炭治郎・禰豆子から考える「きょうだい」のかたち

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主人公の竈門炭治郎(左)と妹の禰豆子(画像はコミックス23巻の表紙カバーより)

主人公の竈門炭治郎(左)と妹の禰豆子(画像はコミックス23巻の表紙カバーより)

 週刊少年ジャンプに連載された『鬼滅の刃』は、さまざまな世代に愛される大ヒット作品となった。この『鬼滅の刃』には、さまざまな「家族のかたち」が描かれており、主人公の炭治郎・禰豆子の「兄・妹」の関係が物語の主軸になっている。この「きょうだい」のかたちをひも解くと、『鬼滅の刃』が単なる“感動ストーリー”では終わらないこともわかる。炭治郎は、なぜ禰豆子を危険な旅に同行させたのか? この「兄妹」を救済したものは何だったのだろうか?(以下の内容には、既刊のコミックス、結末に関するネタバレが含まれます。)

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■鬼になった「妹」を救う「兄」の物語

『鬼滅の刃』は、主人公である竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼に変身させられてしまった、妹の禰豆子(ねずこ)を「人間に戻す」ために、戦う物語である。

 とある静かな山村で、炭焼きをしながら、穏やかに暮らしていた竈門家に、ある日、鬼の総領・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)がやってくる。すでに病死していた父と、炭売りに出かけていた長男・炭治郎以外の家族は、みな、鬼舞辻に襲われた。妹の禰豆子は、なんとか一命は取りとめたものの、鬼にされてしまっていた。

 鬼は人間を喰う。そのため、禰豆子は本来であれば、「鬼狩り」に首を斬られ、成敗されなければならない。しかし、追っ手としてやってきた、「鬼狩り」である鬼殺隊の剣士・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)の機転と、冨岡の師・鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)の保護によって救われ、炭治郎は禰豆子を人間に戻すために、鬼狩りの剣士になる修行に出ることを決意し、鬼殺の旅に出かける。

■「兄と妹」、2人一緒の旅

 主人公の炭治郎が、入隊試験を受け、鬼殺隊の隊士を目指したのは、ひとえに、たったひとり生き残った妹の、「人間としての幸せな生」を取り戻してやるためだった。鬼との戦いは過酷を極め、生身の人間は、戦闘の中で手足を失い、命を落とす者も多い。


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